2012 Fiscal Year Research-status Report
ブロック共重合体を用いたドメイン配向制御と機能分離による高効率薄膜太陽電池の開発
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24750098
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
土屋 康佑 近畿大学, 分子工学研究所, 助教 (40451984)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 有機薄膜太陽電池 / ブロックコポリマー / ポリチオフェン / 正孔輸送 / ペリレンジイミド |
Research Abstract |
本研究では有機薄膜太陽電池の薄膜内部における相分離構造の制御と、相分離ドメインおよびその界面における機能分離を可能とするジャンクション修飾型ジブロックコポリマーの開発を目的としている。特に、ジャンクション部位へ機能性官能基を導入することにより、相分離界面を選択的に機能化することができ、光吸収により生成した励起子から電荷分離が起きる過程の効率を向上させることが可能となる。本年度の研究では、ポリチオフェンやポリ(トリアリールアミン)等の正孔輸送性セグメントと、相分離構造制御を担うポリエチレンオキシド(PEO)やポリジメチルシロキサン(PDMS)等のソフトセグメントからなるジブロックコポリマーのジャンクション部位へ機能性官能基としてペリレンジイミドを導入した新規正孔輸送性ジブロックコポリマーの合成を行った。まずポリエチレンオキシドもしくはポリジメチルシロキサンの片末端をペリレンジイミドで修飾し、続いてポリ(3-ヘキシルチオフェン)(P3HT)もしくはポリ(4-ブチルトリフェニルアミン)(PTPA)との鈴木カップリング反応を利用した高分子間カップリングにより、効率的に目的のブロックコポリマーを合成することが可能であった。NMRやIRを用いた構造解析により、ペリレンジイミドがほぼ等量的に導入されていることを確認した。二官能性のポルフィリン誘導体を出発原料として合成し、上記と同様の手法を用いることにより、ジャンクション部位にポルフィリンを修飾したブロックコポリマーの合成も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の計画では、ジャンクションへ機能性官能基を導入したブロックコポリマーの合成法の確立することを目的としており、現在の研究の進捗状況においてほぼ達成されている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の研究計画では、これまでに合成したジャンクション修飾型ブロックコポリマーの光・電子物性を中心とした薄膜における物性評価を行う。また、電子輸送材料としてフラーレン誘導体であるPCBMとのブレンド薄膜を作成し、相分離構造および光電変換素子としてのデバイス性能評価を行う。これまでの知見により、ポリジメチルシロキサン(PDMS)をソフトセグメントとして有する正孔輸送性ブロックコポリマーを用いた光電変換素子において、正孔輸送性ホモポリマーを用いた素子に比べて優位性が確認されている。そこで、ポリ(3-ヘキシルチオフェン)とポリジメチルシロキサンからなるジャンクション修飾型ブロックコポリマーを用いたデバイスについて集中的に性能評価する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(3 results)