2013 Fiscal Year Annual Research Report
キラル有機分子触媒組込型高分子の開発と不斉触媒への応用
Project/Area Number |
24750103
|
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
原口 直樹 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30378260)
|
Keywords | キラル高分子 / 有機分子触媒 / イオン結合 / 不斉反応 / 環境調和 / 自己縮合 / Diels-Alder反応 |
Research Abstract |
本研究ではアミン塩を有する有機分子触媒二量体とジスルホン酸誘導体によるアミンスルホネート生成反応を分子間で連続的に行うことにより、高分子主鎖にイオン結合を有するキラル有機分子触媒組込型高分子合成の一般性を確立し、異なる二量化反応により得られたアミン塩を有する有機分子触媒二量体や種々のジスルホン酸誘導体により得られたキラル有機分子触媒組込型高分子の安定性ならびにその特徴に関する知見を得ることを目的とした。 まず、代表的なデザイン型有機分子触媒であるキラルイミダゾリジノン触媒二量体とジスルホン酸誘導体の分子間反応により、キラル有機分子触媒組込型高分子の合成を行った。チロシンから誘導したフェノール性水酸基を有するキラルイミダゾリジノン触媒とキラルイミダゾリジノンのアミド部位にフェノール性水酸基を導入した触媒を合成し、ジハライドとのWilliamson反応により、構造の異なるキラルイミダゾリジノン触媒二量体の合成に成功した。またそれらの触媒性能は対応する低分子触媒と同等であることを確認した。 次に、これらとジスルホン酸誘導体の重合反応により、キラル有機分子触媒組込型高分子の合成を試みた。重合反応はアミンとスルホン酸の中和反応であり、それぞれの溶液を室温で混合するだけで円滑に進行し、目的とするキラル有機分子触媒組込型高分子が高収率で得られた。特にスルホン酸部位のかさ高さは重合速度に大きく影響を与えることが分かった。 得られたキラル有機分子触媒組込型高分子による不斉反応を行った。シクロペンタジエンとシンナムアルデヒドのDiels-Alder反応において、高い触媒活性を示し、特にendo生成物で低分子触媒を上回るエナンチオ過剰率を示した。高分子触媒は濾過等の簡単な操作で回収でき、数回の再使用が可能であった。
|
Research Products
(28 results)