2014 Fiscal Year Annual Research Report
アリールボロン酸とジアミンの重縮合反応に基づく新規光学活性らせん高分子の開発
Project/Area Number |
24750105
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 武司 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20624349)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 合成化学 / らせん / C-H活性化 / オリゴナフタレン / 保護基 / 配向基 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの研究活動において、1,8-ジアミノナフタレンでホウ素上を保護した3-ヨード-2-ナフチルボロン酸誘導体の反復鈴木-宮浦クロスカップリングにより、末端にホウ素部位を有するオリゴ(ナフタレン-2,3-ジイル)の精密合成を達成している。また、得られたオリゴナフタレンの末端ホウ素部位に光学活性ジオールを導入することで、オリゴナフタレン部位にキラルらせん構造を誘起できることを見出している。これらの知見を基に、今年度はオリゴアレーンの精密合成において重要な合成素子となる1,2-ジボリルアレーンの合成法の開発に取り組んだ。 フェニルボロン酸とピラゾリルアニリン(PZA)を脱水縮合させることで得られるPhB(pza)に対し、イリジウム触媒存在下ビスピナコラートジボロンとの反応を行ったところ、ホウ素上のPZA部位が配向基として働き、オルト位選択的なC-Hボリル化反応が進行した。反応終了後にPZA部位を加水分解し、ピナコールを脱水縮合させることで、1,2-位にボロン酸エステル部位を有するジボリルベンゼンが高収率で得られた。本手法は置換基を有するベンゼン誘導体においても有効であり、様々な置換様式を有する1,2-ジボリルアレーンを高選択的に合成することにも成功した。 以上、本研究課題ではオルト位で連結したオリゴアレーンの合成法の開発とそのキラル高次構造制御を達成した。これは、当初申請した内容とは異なるものの、新規らせん状キラル分子の合成につながる点で類似のものであり、光学活性材料開発への応用が期待される。
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