2012 Fiscal Year Research-status Report
マルチビニルモノマーの選択重合による高分子構造制御
Project/Area Number |
24750109
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北浦 健大 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (80452407)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 立体規則性 / 環化重合 / 選択重合 / アニオン重合 |
Research Abstract |
1.α位をアルキレンリンクした2官能性アクリレート系モノマーのアニオン重合 ジメチレンリンクされた(Diethyl 2,6-dimethyleneheptanedioate, EDMP)は六員環化重合が進行することが知られているが希釈条件下に限られ、また片方のビニル基のみの選択重合も知られてない。本研究では重合開始剤と重合条件を適切に設定することにより、環化重合 / 2重結合選択重合の選択制制御が可能となった。詳細な生成ポリマーの構造解析により、それぞれの重合が立体特異的であることも確認している。環化重合の場合はバルクに近い条件でもほぼ環化選択的であり、高度な構造選択制が達成された。MMAとの共重合も実施し、共重合においても環構造が形成されることを確認した。五員環を形成するジメチレンリンクされたモノマーでは同様に環化重合が進行したが、メチレンリンクモノマーでは四員環化選択重合の進行は認められなかった。 2.非等価ジビニルモノマーのアニオン重合 アクリロイル基とメタクリロイル基を異なるリンカーで連結したジビニルモノマーの重合を行った。エチレン、1,8-ジメチレンナフチチル、m-キシリレンリンカーの場合はアクリロイル基選択重合が進行したのに対し、o-フェニレンリンカーの場合は同時に環化重合が進行した。 3.側基ビニル基を有するポリマーのテンプレート重合 ビニルエステル側基を有する立体規則性ポリメタクリル酸ビニルを合成、そのテンプレート重合を行っている。今後生成するポリマー鎖の立体規則性評価等により、立体規則性テンプレートの効果を明らかにする。 4.メタクリル酸無水物のアニオン重合 従来アニオン重合が困難であったメタクリル酸無水物のアニオン重合を実現し、環化選択的に進行することを明らかにした。 (学会発表5件、論文1件)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画調書のH24年度研究計画で挙げた実施するべき内容はおおむね実施できた。次年度以降に実施する予定であった項目も一部実施し、順調に進展しているといえる。今後は成果の発表、論文化を進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績の1.α位をアルキレンリンクした2官能性アクリレート系モノマーのアニオン重合 と 2.非等価ジビニルモノマーのアニオン重合 に関して、2官能性モノマーの重合に関する基礎的研究は終えていると判断し、3官能性モノマーの重合を試行する。環化あるいは各ビニル基の選択重合の選択性と構造の相関性について明らかにする。 3.側基ビニル基を有するポリマーのテンプレート重合 については、重合を試行しているものの、その重合のメカニズムや選択性を明らかにするには至っていない。そこで本年度は生成ポリマーの構造を明らかにすることに注力する。重合の制御が不十分な場合は、テンプレートポリマーの構造の検討にフィードバックし、より高度な制御が可能な系を構築する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度は実験計画に沿って必要品目の購入に使用した。今年度も合成研究が主であり、購入金額の比較的小さい消耗品を中心に使用する予定である。
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