2013 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ構造を制御した双性イオン液体型リチウムイオン伝導性ポリマーの開発
Project/Area Number |
24750112
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
藤田 正博 上智大学, 理工学部, 准教授 (50433793)
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Keywords | 機能性高分子 / イオン伝導性高分子 / 双性イオン / リチウムイオン伝導体 / ポリベタイン / イオン液体 |
Research Abstract |
本研究では、ミクロ相分離構造を制御した新規高リチウムイオン伝導性ポリマーを開発するため、オリゴエーテルモノマーと疎水性モノマーからなるブロック共重合体を合成した。リビングラジカル重合法を駆使し、各ブロック鎖長を制御する条件検討を行い、重合溶媒や重合温度について最適化を行った。さらに、双性イオン液体に種々のリチウム塩を添加して物性評価を行い、リチウムイオン伝導性を調査した。双性イオン液体とリチウムビス(フルオロスルホニル)アミド(LiFSA)の複合体はLiFSAの物質量比が0.8のとき(13.7 mol/kg)、最も高いイオン伝導度とリチウムイオン輸率を示した。有機溶媒やイオン液体の場合、リチウム塩の添加により系の粘性が増加しイオン伝導度が低下するため、最適なリチウム塩濃度は0.5 mol/kgであり、双性イオン液体の挙動は特異的であった。赤外分光スペクトルの結果、双性イオン液体中のFSAアニオンのSNSおよびSF伸縮振動に起因するピークが、LiFSA単味のピークと比較して低波数側にシフトした。これはFSAアニオンが双性イオン液体と相互作用し、解離状態にあることを示唆している。双性イオン液体は高濃度のリチウム塩を解離させることができる高極性マトリックスであることがわかった。サイクリックボルタンメトリーの結果、双性イオン液体の電位窓は約5 Vであり、リチウムイオン電池用電解質として十分な電気化学的安定性を有することがわかった。双性イオン液体/リチウム塩複合体をポリエーテルに添加した電解質を作製し、充放電試験を行った。数十回充放電サイクルを行い、安定に動作することを実証した。
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