2013 Fiscal Year Annual Research Report
高機能プラズモン特性を有する低コスト金属種から成るナノ構造体の構築
Project/Area Number |
24750135
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
須川 晃資 日本大学, 理工学部, 助教 (40580204)
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Keywords | 表面プラズモン共鳴 / 銅ナノ構造体 / アルミニウムナノ構造体 / 蛍光増強 / 局在電場 |
Research Abstract |
本研究では,プラズモニック材料として汎用であるが高価な金・銀の代替として低コスト金属種の活用を図る.具体的には銅・アルミニウムナノ構造体の構築と可視領域におけるプラズモニック特性を検証した. まず,シリカ微粒子から成る二次元コロイド結晶を作製し,その上面上に熱蒸着法によって,銅・アルミニウム薄膜を修飾することによって,規則的な銅・アルミニウムナノ構造体を構築した.アルミニウムの表面プラズモン共鳴は本質的には紫外領域にて発現するが,シリカ微粒子の粒子径を制御することによってその発現波長を可視領域に制御することに成功した.また,銅は通常,内部遷移が強い波長域でプラズモンを発現するため効率的な発現が困難であるが,内部遷移の弱い波長域に発現波長を制御することで,効率的な発現に成功した. 次に,銅ナノ構造体は大気中で容易に酸化し,プラズモンの減衰を誘起することが予測されたため,機能性官能基を有するアルカンチオールの自己組織化単分子膜を構造体上に修飾することによって,大気中における数時間の酸化耐性の付与に成功した. この酸化抑制層を介して表面ゾルゲル法によって蛍光プローブ分子としてポルフィリン分子を修飾したところ,銅薄膜上と比して約90倍もの蛍光増強が誘起されることを見出した.また,この増強が銅による蛍光消光効率を凌ぐほど多大なものであることを検証できた.また,可視領域のみならず,近赤外領域に発現した銅のプラズモンが近赤外蛍光分子(インドシアニングリーン)の蛍光をガラス基板上と比して約28倍にも増強させることを見出した.以上の結果から,銅の表面プラズモン共鳴を介して発現する局在電場は,近傍に配置された分子の蛍光を多大に増強させるほど強く,有用性の高いものであることを検証することができた.
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Research Products
(7 results)