2015 Fiscal Year Annual Research Report
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24750142
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
草本 哲郎 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (90585192)
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| Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | ラジカル / 物性 / 電子移動 / スピン / 発光特性 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、電子ドナーあるいはアクセプター分子、ラジカル分子を構成要素とする機能性分子性化合物を新規に設計、合成し、光などの外部刺激をもちいてその物理特性（伝導性、磁性、発光特性など）をコントロールすること、またこれら外部刺激応答特性の起源を明らかにすることを目的としている。
（１）昨年度見出した、光刺激に対し高い安定性と発光特性を示す稀有なラジカルPyBTMについて、分子内の塩素原子を一部フッ素または臭素原子に置換した（＝ハロゲン置換した）新奇なラジカルを合成した。これらの発光特性を調べた結果、フッ素原子置換体はPyBTMよりも高い発光量子収率を与える一方、臭素原子置換体は、PyBTMよりも高い光照射下安定性を示すことを明らかにした。これらの結果は、ハロゲン置換が発光特性と光安定性の両方に影響することを示している。これらの実験結果ならびに密度汎関数法を用いた電子状態計算の結果から、ハロゲン原子の置換により、ラジカルのNHOMOのエネルギー準位が主に変化することを明らかにした。
（２）フェロセンと金属ジチオレン錯体部位を有するハイブリッド分子系において、プロトン移動に連動してスピン分布の再構成を伴う分子内電子移動が起こること、またこの電子移動が温度によりコントロールできることを明らかにした。
（３）PyBTMと銅(II)イオンからなる常磁性金属錯体を合成、その構造、物性、電子状態を調べた。発光ラジカルPyBTMが銅(II)イオンに配位することで、PyBTMと銅(II)イオンの不対電子間に47Kの強磁性的相互作用が働くことを明らかにした。
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