2013 Fiscal Year Annual Research Report
吸着式ヒートポンプに適した高性能炭素系水蒸気吸着剤の開発
Project/Area Number |
24750146
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
堀河 俊英 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 講師 (90380112)
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Keywords | 低環境負荷物質 / 水蒸気吸着 / 含窒素多孔質炭素 / 吸着式ヒートポンプ / 吸着剤 / 窒素ドープ |
Research Abstract |
原発停止に伴う電力低下が懸念され、より一層の創・蓄・省エネルギー化が求められている。化学プロセスから排出される高位レベルの廃熱は回収され予備加熱などに再利用されるが、低位レベルの熱エネルギー回収システムのひとつとして水蒸気吸着式ヒートポンプ(WAHP)が期待されている。一般的に親水性吸着剤であるゼオライトなどがWAHP用吸着剤として使用されるが、WAHP操作圧力範囲(低相対圧部)における水蒸気吸着量差が十分に大きくないことが問題となっている。一方、細孔容積が大きく疎水性吸着剤である炭素系吸着剤は、WAHP運転圧力範囲における吸着量が小さく、中高相対圧部で急激かつ大きな立ち上がりを示す。本申請課題において、炭素系吸着剤に対する水蒸気吸着等温線の立ち上がり位置を低相対圧部へシフトさせるために細孔構造を制御した多孔質炭素材料を調製し、また、それらに窒素原子を導入した吸着剤調製を試みた。吸着剤細孔特性、含窒素量が水蒸気吸着等温線の立ち上がり、水蒸気吸着量にどのような影響を及ぼすか詳細に検討し、これら知見を基にWAHPに適した高性能炭素系水蒸気吸着剤の開発を目指した。 本研究では、前駆体調製時に含窒素有機物を添加し、さらに前駆体調製条件を制御することで細孔構造を制御した窒素ドープ多孔質炭素を調製した。その結果、含窒素有機物の種類、添加量を変化させることで、窒素ドープ多孔質炭素の窒素ドープ量、細孔特性を制御可能で、ドープした窒素が水蒸気吸着等温線を低相対圧部へシフトさせることができた。これにより、WAHP運転圧力範囲における水蒸気吸着量差は、窒素ドープを行っていない炭素材料に比べて10倍となる吸着剤が開発できた。
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