2013 Fiscal Year Annual Research Report
高次機能蛍光プローブの開発に基づく、メゾスコピック脳機能イメージング手法の確立
Project/Area Number |
24750155
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浅沼 大祐 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10611204)
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Keywords | 蛍光プローブ / カルシウム / 神経活動 |
Research Abstract |
脳における統合的な働きを理解する上で、神経回路においてそれぞれの神経細胞間でどのような時空間パターンで情報が伝達されるのかを解明することが必要である。本研究では新たな蛍光プローブの開発に基づき、従来困難であった神経活動ダイナミクスの可視化を実現する蛍光イメージング手法の開発を目的とした。以下、開発した2つの手法について報告する。①細胞選択的カルシウムダイナミクスの可視化手法:神経活動に付随する細胞内カルシウム濃度変化を可視化することで神経活動を観察可能であるが、多種類の細胞が存在する脳内では蛍光プローブの非特異的染色により細胞選択的なカルシウムダイナミクスの可視化は極めて困難である。本研究では、レポーター酵素として汎用されるβ-ガラクトシダーゼ(lacZ)による酵素反応を受けることでカルシウムセンサーとして機能化する蛍光プローブを開発した。lacZ発現/非発現細胞に応用したところ、lacZ発現細胞で選択的にカルシウムシグナルの検出に成功し、細胞選択的にカルシウムダイナミクスを可視化できることを実証した。②神経細胞におけるシナプス小胞放出ダイナミクスの可視化手法:神経活動の際に神経伝達物質の放出を担うシナプス小胞放出現象は神経情報伝達の基本機能単位である。本研究ではシナプス小胞放出現象に着目し、そのダイナミクスを可視化する蛍光プローブの開発を行った。開発した蛍光プローブはHaloTagラベル化技術を利用することによりシナプス小胞へのターゲティングを実現した。さらに、培養神経細胞において神経活動に付随するシナプス小胞内のpH変化を蛍光変化として捉えることで神経活動を可視化することに成功した。
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