2012 Fiscal Year Research-status Report
ヘム代謝副産物であるCOの機能解明をめざした超分子COレセプターの開発
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24750165
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
北岸 宏亮 同志社大学, 理工学部, 助教 (60448090)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 内因性一酸化炭素 / ポルフィリン / シクロデキストリン |
Research Abstract |
我々が開発したシクロデキストリンとポルフィリン鉄錯体から成る一酸化炭素(CO)レセプターを動物体内へ投与し、そのときの遺伝子発現レベルをRT-PCR法により解析した。その結果、COが欠乏した状態ではCO産生に関わるヘムオキシゲナーゼ-1の発現が肝臓内にて誘導される他、TNF-aやIL-1bといった炎症系に関わる因子の発現上昇が顕著に観測された。DNAマイクロアレイによる網羅的解析の結果、CO欠乏時に起こる遺伝子発現の変化は、血中にヘムを投与したときに起こる炎症作用とよく一致していたことから、COは血中のヘム濃度を調節する役割があることが示唆された。 またCOレセプターを細胞内に導入するために、膜透過性ペプチドをポルフィリンに導入した。いくつかの分子を合成した結果、ポルフィリンの置換基にオクタアルギニンを導入した系においてHeLa細胞内へのすみやかな導入と細胞質ゾルへの拡散が観測された(Org. Bio. Chem. 2013)。これによってCOの生理的役割をin vitroの系でも調査できることとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の目的であったポルフィリン/シクロデキストリン超分子錯体の細胞内導入を達成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
in vitro, in vivo両方において一酸化炭素(CO)レセプターを作用させ、それぞれにおけるCOの生理的存在意義を考察する。とくにin vivoの実験において示唆されたCOによる血中ヘム濃度の調節の詳細なメカニズムを検討し、これまで誰も言及してこなかったこのCOの機能について発表することを目標とする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
試薬・消耗品に使用する。
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