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2012 Fiscal Year Research-status Report

ナノポアによる1分子糖鎖高分子の分岐構造分析法開発

Research Project

Project/Area Number 24750171
Research InstitutionThe Institute of Physical and Chemical Research

Principal Investigator

武政 誠  独立行政法人理化学研究所, 前田バイオ工学研究室, 客員研究員 (30318795)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
Keywordsナノポア / 1分子 / 糖鎖 / 多糖類 / AFM / 分岐構造
Research Abstract

本年度は、ナノポアを利用した1分子計測法の開発に取り組んだ。糖鎖の中でも、特に分子量の大きな糖鎖高分子を1分子単位で計測可能にするを新しい手法の開発に取り組んだ。ナノポアの分子断面積検出能力は優れているが、分子の通過方向の位置制御には課題が残ると報告されてきた。この問題を解決するために、圧電スキャナーの持つ高い位置決め精度(数ナノメートル)を利用して、ナノポアと組み合わせて各手法の持つ欠点を補完しあう手法開発に取り組んでいる。本研究ではAFMの探針先に計測対象分子を化学架橋により固定化し、対象分子をナノスケールで位置制御しながらナノポアの中に入れて断面積をイオン電流で計測する。
AFMによる1分子操作を、ナノポアによる1分子内断面積の電流計測と同時に行うためには、AFMの装置内で電流計測を低ノイズな環境下で行う必要がある。ナノポアを利用した電流計測は、10kHz帯域におけるノイズを数十pA 程度まで低減させる必要があった。ナノポア計測単体であれば、周囲を電気的にシールドした容器に収める事で、十分に実施が可能であるが、AFMによる1分子操作を行うための光学系や調整用窓など様々な要素が追加されるために、ノイズが入り込む要因が飛躍的に増加するという問題があった。各項目について一つ一つ対策を行う事で解決を行った。具体的には、シールド可能な部分は全てシールドし、また金属材料で一体形成できる部位については部品を作成して交換する事で、部材間の隙間を減らしてノイズが入る余地を極力排除した。AFMの操作中でも、ナノポアを利用した電流計測を、AFM装置外で行った場合と同レベル で実行可能にした。  これらの開発により、ナノポア付近に、測定対象分子1分子を接近させる事は成功した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

研究立案当初には予期しなかった問題が発生し、対処に時間を要したため当初の計画よりはやや遅れている。H24年度初めは、ナノポア電流計測をAFMの装置内で実施する事に注力して研究を進めたが、途中でノイズが予想よりも大きくなってしまい期待した精度で計測を行う事が困難になる問題が発生したため、低ノイズ電流計測環境を整える事を優先的に研究を進めた。本問題に対処した後に電流計測アンプを購入したため、やや遅れることとなった。

Strategy for Future Research Activity

AFMとナノポアを組み合わせた状態で安定した計測を可能にするべく、実験の成功率を高める工夫を凝らす。AFMによる1分子操作、及び2分子間の力計測等では、AFM探針に固定化する計測対象分子数を最小化する事が一般的となっており、H24年度にもこの確立された条件を用いて実験を行った。これはAFM短針を操作して1分子計測を行う手法では、複数分子が同時に相互作用した際に、各分子毎の現象を独立に観察する事が不可能であるため、1分子の事象だけに注目するために、探針に固定化する分子数を最小限に抑えて、同時に複数分子が相互作用できないようにするために必要な条件である。ナノポアと組み合わせる場合には、ナノポアの径が小さいために2つ以上の分子が同時にナノポア内に侵入する事が非常に困難であり、多数の中から1分子だけを選択する能力は、ナノポア側が有しているため、AFM探針には多数の分子が固定化されていても、分子の選択という意味では問題は生じないと考えられる。その一方で、探針をナノポアに接近させた際に分子がナノポアに入る確率は向上すると期待されるため、今後修飾密度を高める条件で検討を行う計画である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

研究の遅れによりH24年度の予算の一部をH25年度に利用する。H25年度は、消耗品を主とする研究計画遂行に必要な物品を購入する。遅れを取り戻すことも考慮に入れてナノポア用にカスタム設計したSiN薄膜の作成費用に約100万円を充てる計画である。必要であれば計測精度をさらに向上させるために、AD変換機等を入れ替える等の対策を講じる。

  • Research Products

    (3 results)

All 2012

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] Single Molecular Analysis of Glycans using a Solid State Nanopore2012

    • Author(s)
      武政誠, 藤田雅弘, 前田瑞夫
    • Organizer
      IUMRS-ICEM2012
    • Place of Presentation
      パシフィコ横浜
    • Year and Date
      20120927-20120928
  • [Presentation] ナノポアによる多糖類1 分子の分析2012

    • Author(s)
      武政誠, 藤田雅弘, 前田瑞夫
    • Organizer
      第61回高分子討論会
    • Place of Presentation
      名古屋工業大学
    • Year and Date
      20120919-20120921
  • [Presentation] ナノポアによる多糖類の1 分子解析2012

    • Author(s)
      武政誠, 藤田雅弘, 前田瑞夫
    • Organizer
      第22回バイオ・高分子シンポジウム
    • Place of Presentation
      東京大学先端科学技術研究センター
    • Year and Date
      20120625-20120626

URL: 

Published: 2014-07-24  

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