2012 Fiscal Year Research-status Report
実用領域のイオン伝導性を示す2価イオン伝導体の開発
Project/Area Number |
24750202
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田村 真治 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (80379122)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | イオン伝導体 / 固体電解質 / 2価イオン / ストロンチウム |
Research Abstract |
固体電解質とは、センサや化学電池の電解質材料など様々な電気化学デバイス材料への利用が期待されている、固体中をイオンが伝導する材料である。固体中でのイオン伝導性は伝導イオン種の価数に大きく依存し、高価数のイオンほど周囲に存在する対イオンとの静電的相互作用が強くなるため、固体中の伝導は困難になることから、1価イオンを伝導種とする固体電解質が広く研究されている。しかし、近年、電池材料としての2価イオン伝導体が注目を集めつつあり、実用的な2価イオン伝導体の開発が望まれている。 本研究では実用的な2価イオン伝導体の開発を目的とし、三次元網目構造を持つナシコン型構造を有する新規な2価カチオン伝導体の開発およびそれらのイオン伝導性の評価を行った。 平成24年度は、新規なSr2+イオン伝導体の開発を目的とし、(SrxHf1-x)4/(4-2x)(Nb1-yWy)5/(5+y)(PO4)3を合成し、そのイオン伝導性を調べた。その結果、Sr量xとしては0.05の組成で高いイオン伝導性が得られ、かつ、W量(y)が0.15のときに最大の導電率を示すことが明らかとなった。(Sr0.05Hf0.95)4/3.9(Nb0.85W0.15)5/5.15(PO4)3の導電率は900 ℃において(Sr0.05Hf0.95)4/3.9Nb(PO4)3と比較して約2.6倍、SrZr4(PO4)6に対しては約3300倍高い値を示したことから、Srサイトを高価数イオンであるHfで、さらにNbサイトをより高価数イオンであるWで部分置換することで、Sr2+イオン伝導性が3桁以上向上することを明らかとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、高いイオン伝導性を示す新規な2価イオン伝導体の開発を目的としており、イオン半径の大きなSrイオンにおいても従来の類似研究では達成できていない高い導電率を得ることに成功している。本研究で対象とする2価イオンは、Sr以外にもあるが、固体中での移動が比較的困難な大きなイオンにおいて高いイオン伝導性を得る開発指針が得られていることから、本成果を活用することで他のイオンについても高いイオン伝導性が得られると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、よりイオン半径の小さなMgやCaについて、高いイオン伝導性を示す固体電解質の開発を行う。ここで、本年度の成果(移動がMgやCaより困難なSrで高いイオン伝導性が得られた)を用いることで、研究を推進する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(1 results)