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2012 Fiscal Year Research-status Report

酸窒化クロムにおける特異な機能発現を利用した新たな高硬度セラミックス材料の創製

Research Project

Project/Area Number 24750211
Research InstitutionTomakomai National College of Technology

Principal Investigator

浅見 廣樹  苫小牧工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (00547961)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
Keywords酸窒化クロム / 高硬度セラミックス / メカニカルアロイング / 放電プラズマ焼結
Research Abstract

近年、レアメタルの使用量削減技術の開発が重要となってきているが、その中においてタングステンの使用量削減技術の開発は、本国においては重要なものとなっている。タングステン使用量削減のためには、その試料量の70%を占める超硬合金の代替材料の開発がカギを握ると考えられる。
このような状況に対して本研究では、工具材料などへの応用を見据えた新たな高硬度セラミックス材料の開発として、酸窒化クロム系セラミックス材料の創生に関する研究を行っている。この酸窒化クロム系セラミックスは、これまでに作成報告例のない本研究独自の研究である。コーティングとして合成される酸窒化クロムは、酸素固溶によりイオン結合性が増すにも関わらず、その硬度(弾性率)が大きく向上することが分かっている。本研究では、このイオン結合性の増加と弾性率向上という相反する特異な機能発現を利用することにより、これまでに報告例がなく、さらに工業材料として有用性の高いと考えられる新たなセラミックス材料の創生が可能ではないかと考え、この研究に取り組んだ。
これまでの研究成果としては、研究実施計画にあった通りに窒素雰囲気下のメカニカルアロイング法により(Cr,Mg)(N,O)粉末の合成を試み、これに成功した。これは、窒化クロム中へ酸素と同時にマグネシウムを固溶させた粉末になるが、粉末としてはこれまでに合成報告例のないものであり、学術的成果としては大きいものであると考える。また、放電プラズマ焼結により同粉末の焼結体作製を行った。結果として、現状では焼結時の分解などにより目的とする焼結体の作製には至っていない。しかし、窒化クロム系の材料は難焼結性の材料と言われるが、バインダなどが無くとも同物質は1200℃程度の低温においても焼結可能であり、またHV1500以上の硬度を有することを明らかにした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

粉末の合成に関しては、ほぼ計画通りに進行している。しかし、焼結体の作製に関しては当初の予定より若干遅れていると考えたため、達成度については「やや遅れている」を選択した。焼結体の作製が遅れている理由としては、焼結体試作を外部委託により行っている都合上、思っていたよりも焼結体作製回数が少なくなってしまったことがあげられる。ただし、この遅れについてはH25年度の前半内に取り戻せるものであるとも考えている。

Strategy for Future Research Activity

前述したように若干の遅れがあるため、まず焼結体の作製を急ぐものとする。具体的には、合成した(Cr,Mg)(N,O)粉末の粉末結晶中が窒素不足の状態であり、焼結体作製時に一部がCr2N相として分離してしまう問題を解決する。
方策としては、粉末合成時に窒素源となるMg3N2などの粉末を混ぜ込み、作製される粉末中の窒素量を増やすことなどを考えている。また、原材料として現在は安価なCr2NとMgOを用いているが、あらかじめ窒素量を増やしたCrN粉末(市販)のものを用い、この状態で(Cr,Mg)(N,O)粉末を合成し、より安定な状態の粉末を合成することなどを考えている。
焼結体作製と同時に特性調査は行うため、特性調査の部分において遅れは生じないと考えられる。工業材料として有用性のある焼結体が作製できしだい、学術的な面における研究として、実施計画にある原子構造調査、結合状態評価に移る予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

該当なし

URL: 

Published: 2014-07-24  

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