2013 Fiscal Year Annual Research Report
巨視的配向およびヘリシティを制御したヘリカルグラファイトの創成と機能発現
Project/Area Number |
24750219
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松下 哲士 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90589186)
|
Keywords | 液晶 / 共役ポリマー / らせん構造 / 形態制御 / グラファイト |
Research Abstract |
(1)ヘリカルセンスやらせんピッチ、配向状態を変化させたキラルネマチック液晶をアセチレン重合の反応場として用いることで、巻きの向きやねじれの度合い、巨視的配向を制御したヘリカルポリアセチレンフィルムを合成した。合成したヘリカルポリアセチレンフィルムにヨウ素ドープ処理を施した上で800度で炭素化、2600度でグラファイト化することにより、ヘリシティおよび巨視的配向を制御したヘリカルグラファイトフィルムを調製した。 (2)キラルネマチック液晶を反応場とする3,4-エチレンジオキシチオフェン二量体の不斉電気化学重合により、ヘリカルポリエチレンジオキシチオフェンフィルムを合成した。合成したヘリカルポリエチレンジオキシチオフェンフィルムの炭素化およびグラファイト化により、ヘリカルグラファイトフィルムを調製した。 (3)自己集積化によりウィスカー形態を形成するポリメタフェニレン誘導体を脱ハロゲン化重縮合により合成し、このポリマーウィスカーを前駆体とする炭素化およびグラファイト化により、グラファイトウィスカーを調製した。次に、配向基板上でポリメタフェニレン誘導体を自己組織化させることにより巨視的配向ポリマーウィスカーを調製し、同様に熱処理することで、巨視的配向グラファイトウィスカーを調製した。 以上、巨視的配向およびヘリシティが制御されたヘリカルポリアセチレンを前駆体とする、これまでにない形態制御ヘリカルグラファイトの調製手法を確立した。さらに、本手法はポリアセチレンのような脂肪族共役ポリマーのみならず、ポリエチレンジオキシチオフェンのような芳香族共役ポリマーに対しても有効であることを見出した。また、新たにウィスカー状ポリメタフェニレン誘導体を炭素化前駆体とすることで、巨視的配向グラファイトウィスカーを調製し、異方導電性ナノワイヤとしての利用が期待される結果を得た。
|