2013 Fiscal Year Annual Research Report
表面カチオン化ポリ(Nービニルアミド)ゲルを利用した新規薬物徐放制御材料の創製
Project/Area Number |
24750220
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
網代 広治 大阪大学, 臨床医工学融合研究教育センター, 特任准教授(常勤) (50437331)
|
Keywords | 薬物徐放 / ゲル / 薬物伝達システム |
Research Abstract |
本研究の目的は、N-ビニルアミド等のカチオン化可能な化学構造の特徴を活かして、ノニオン性ヒドロゲルをカチオン化する手法を利用し、新規インテリジェントゲルを調製することであった。 平成25年度では、これまでに調製した表面ポリイオンコンプレックスゲル(sPICゲル)のうち、アクリル酸に変えてビニルホスホン酸を用いてゲルを調製し、そのpH応答性を詳細に調べた。モノマーであるビニルホスホン酸は2段階のプロトン放出挙動を示すが、ポリマー化するとなだらかな1段階の放出挙動を示すことが明らかとなり、緩やかな応答を特徴とする新しいsPICゲルが調製可能であることが分かった。 また、薬物モデルとして1,3―ベンゼンジスルホン酸二ナトリウムを用いたところ、電荷や高分子網目だけでなく、薬物同士のスタッキングや溶解性も放出挙動に影響を及ぼしていることが分かった。 さらにこれと関連して、別のインテリジェント材料を分子設計した。N-ビニルアセトアミドゲルと相互作用すると考えられる種々の有機溶媒を用いて、その力学的強度が変化することが分かった。特にポリエチレングリコール400を有機溶媒に用いると、その末端のヒドロキシル基は、N-ビニルアセトアミドゲルのアミド基と水素結合している様子が赤外吸収スペクトルにより確認でき、膨潤度は大きく収縮し、良く伸びて破断しにくいゲルが調製できた。また、カチオン化可能な高分子としてキトサンを用いたゲル材料を調製し、薬物担持に架橋構造が影響することを示した。
|
Research Products
(14 results)