2013 Fiscal Year Annual Research Report
カーボネートオリゴマーを利用した全固体型高分子電解質の開発
Project/Area Number |
24750224
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
小椎尾 謙 長崎大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20346935)
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Keywords | 高分子固体電解質 / ポリカーボネート / 導電率 / 粘度 |
Research Abstract |
リチウムイオン二次電池は次世代の大容量蓄電デバイスとしての利用が高く期待されている。このことを実現するためには、「安全面の飛躍的な向上」と「高速充電化と大容量化」の達成が必要不可欠である。本研究では、「電解質部分の改質」からのこの目標達成にアプローチした。具体的には、電解質の構成成分として、分子量500, 800, 1000および2000の脂肪族カーボネートオリゴマー(液体状)を用いた。このカーボネートオリゴマーに所定濃度になるようにリチウム塩(LiClO4)を添加し、電解質を調製した。調製した電解質の粘度、導電率の温度依存性の評価、さらに、示差走査熱量測定を行った。 ポリカーボネートオリゴマーのメチレン連鎖数、側鎖メチル基の有無、分子量などをファクターとして、系統的な解析を行った。カーボネート基間に存在するメチレン連鎖の数が多いおよびオリゴマー自身の分子量が低い方が、粘度が低く、導電率は高い値を示した。側鎖メチル基の有無は顕著な導電率への影響を示さなかった。これらの結果をまとめると、導電率の絶対値は、粘度のみに支配されているのではなく、他のファクターにも依存していることが明らかとなった。現在もそのファクターの解明を進めている。 様々なファクターを最適化することで、70~80℃の温度域においては、実用化が可能な10 -3 S/cm-1の導電率を有する電解質が得られた。今後も、未解明である機構の解明を継続して行う。
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