2012 Fiscal Year Research-status Report
イオン伝導性高分子ナノファイバーを用いた有機ナノイオニクス現象の実証と応用
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24750225
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
田中 学 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助教 (00531831)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 燃料電池 / ナノファイバー / イオン伝導 / エレクトロスピニング / 有機ナノイオニクス |
Research Abstract |
新しいイオン輸送材料としてイオン伝導性高分子ナノファイバーに着目し、有機・高分子材料におけるナノイオニクス現象を実証することを目的とする。 イオン伝導性ナノファイバーの構造として、熱的・機械的・化学的安定性に優れた芳香族ポリイミドやポリエーテル主鎖骨格と、カチオン伝導性のスルホン酸基あるいはアニオン伝導性の四級アンモニウム基を選択した。エレクトロスピニング法によるナノファイバー作製条件を詳細に検討し、直径百~数百nmの均一なファイバーの作製に成功した。エレクトロスピニング法により電極上に一軸配列ナノファイバーを配置し、様々な温度・湿度条件下でナノファイバー単体のプロトン、アニオン伝導度を初めて測定した。その結果、通常の電解質膜と比べ、ナノファイバーでは1~2桁高い非常に優れたイオン伝導特性を示した。イオン交換容量やイオン種によるイオン伝導度の違いを明らかにした。さらに、ナノファイバー作製条件やナノファイバー形状(ファイバー径)による伝導度への影響も検討した。ナノファイバーではそのナノ寸法の直線的な構造体内に、効率的なイオン伝導パスが形成されることが示唆された。 今後、ファイバー形状や内部ナノ形態を注意深く評価し、ナノ寸法の一次元ファイバーがイオン伝導に与える影響を考察して、有機・高分子材料におけるナノイオニクス現象を実証する。さらに、燃料電池などのエネルギー変換デバイスへ応用を目指し、イオン伝導性ナノファイバーを用いた電解質膜や電極を試作し、全く新しいコンセプトに基づく革新的な燃料電池材料としての可能性を提示する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、プロトン伝導性ナノファイバー、アニオン伝導性ナノファイバーを作成し、そのナノファイバー単体のイオン伝導度を評価することに成功した。さらに、化学構造とイオン伝導特性の相関についても明らかにしており、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本課題の目的である有機・高分子材料におけるナノイオニクス現象を実証を目指し、ファイバー形状や内部ナノ形態を注意深く評価し、ナノ寸法の一次元ファイバーがイオン伝導に与える影響を考察する。さらに、燃料電池などのエネルギー変換デバイスへ応用を目指し、イオン伝導性ナノファイバーを用いた電解質膜や電極を試作し、全く新しいコンセプトに基づく革新的な燃料電池材料としての可能性を提示する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該研究費が生じた状況 研究費の使用額集計において、年度末3月分の交通費支出計算に誤りがあり、予期せぬ少額(\20)の残金が生じてしまった。 次年度の研究費の使用計画 実験消耗品代として120万程度使用する予定である。また学会参加旅費として22万程度(前年度繰り越し額含む)、その他8万程度の使用を計画している。
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Research Products
(17 results)