2014 Fiscal Year Annual Research Report
分子スピントロニクスデバイスにおける交流インピーダンス特性
Project/Area Number |
24760001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
海住 英生 北海道大学, 電子科学研究所, 准教授 (70396323)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | スピントロニクス / 交流インピーダンス / 磁性薄膜 / 有機分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、マイクロメートルサイズからナノメートルサイズに及ぶ様々な接合サイズを有する分子スピントロニクスデバイスを作製し、その直流・交流インピーダンス特性を調べることを目的とした。マイクロ接合デバイスの作製にはメタルマスク蒸着法とスピンコーティング法を用いた。ナノ接合デバイスの作製にはナノエッジ法を用いた。各作製工程における構造解析には、走査型電子顕微鏡、原子間力顕微鏡、X線回折法、フーリエ変換赤外分光光度計を用いた。デバイスの電気的評価には、直流・交流4端子法を用いた。磁気特性評価には、磁気力顕微鏡、集光型磁気光学カー効果装置を用いた。 平成24年度では、NiFe/Alq3/Coマイクロ接合デバイスを作製し、その電気磁気特性を調べた。その結果、77Kにおいて、磁化状態に対応して電気抵抗が変化し、正の磁気抵抗効果が生じることがわかった。平成25年度では、ナノエッジ法の要素技術となる電極作製法を検討した。その結果、数10-100Ωの低インピーダンスを示し、かつ、表面粗さが0.3-1.0nmの平坦なエッジ面を有する電極の形成に成功した。平成26年度では、インピーダンス測定系を構築し、NiFe/Alq3/Coマイクロ接合デバイスの交流インピーダンス特性を調べた。その結果、本デバイスは抵抗とキャパシタンスの並列等価回路で説明できる他、デバイスの構造によってはインダクタンスを含む複雑な等価回路で説明できることも、厳密なインピーダンス数値解析により明らかになった。また、同年度では、ナノエッジ法によりNiFe/Alq3/Rhナノ接合デバイスを作製し、その電気伝導特性も調べた。その結果、Alq3におけるナノスケール伝導の観測に成功し、TCL(Trapped-charge limited)電流モードで説明できることがわかった。本研究課題で得られた成果は、近年注目されている分子スピントロニクスデバイスに新たな知見を与えるものであり、これにより当該研究分野の更なる発展が期待できる。
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Research Products
(22 results)
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[Presentation] AC impedance characteristics of Co/Alq3/Ni75Fe25 junctions2014
Author(s)
T. Sakashita, Y. Kamaya, H. Kaiju, K. Kondo and A. Ishibashi
Organizer
The 15th Ries-Hokudai International Symposium joined with the 3rd International Symposium of Nano-Macro Materials, Devices, and System Research Alliance Project
Place of Presentation
ガトーキングダム(北海道・札幌市)
Year and Date
2014-12-16 – 2014-12-17
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