2013 Fiscal Year Annual Research Report
近赤外広帯域ガラス蛍光体の原子レベルミクロ構造の制御と高発光効率化
Project/Area Number |
24760008
|
Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
渕 真悟 青山学院大学, 理工学部, 准教授 (60432241)
|
Keywords | ガラス蛍光体 / EXAFS / XRD / 発光効率 / 周辺局所構造 / 中距離構造 |
Research Abstract |
近赤外広帯域ガラス蛍光体とLEDとを組み合わせた新しい近赤外広帯域小型光源の実現を目指し、高発光効率近赤外ガラス蛍光体の開発をおこなっている。本研究では、希土類イオン周辺局所構造及びガラス骨格構造と発光効率の相関関係を明らかにし、高効率化の指針を得ることを目指した。 昨年度は、ガラス形成酸化物をB2O3とし、修飾酸化物をBi2O3、ZnO、CaOと変化させた試料に対して広域X線吸収微細構造(EXAFS)測定とX線回折(XRD)測定をおこなった。EXAFS測定の解析結果より、Bに対してBiがSm3+に近接しているBi2O3-B2O3系ガラスの発光効率が高いことを明らかにした。また、XRD測定結果より、2原子間距離より長い中距離の構造を有しているBi2O3-B2O3系ガラスの発光効率が高いことを明らかにした。 今年度は、昨年度のXRD測定結果に対する逆モンテカルロシミュレーション(RMC)解析とBi2O3-B2O3系ガラスの組成を変化させた試料のEXAFS測定及びその解析をおこなった。RMC解析では、発光効率が比較的高いBi2O3-B2O3系ガラスとZnO-B2O3系ガラスの構造が比較的良く似ているのに対し、発光効率が低いCaO-B2O3系ガラスは構造が異なる可能性を示した。また、Bi2O3-B2O3系ガラスの組成を変化させた試料のEXAFS解析結果では、Bi2O3組成が高い場合に、Biに対してBがSm3+に近接し、発光効率が低下することを明らかにした。 このように、希土類イオン周辺局所構造とガラス骨格構造と発光効率には、相関関係が見られる。このことは、さらに多くの試料に対して実験を継続することによって、高効率化の指針が見い出せる可能性を示唆している。
|
Research Products
(6 results)