2013 Fiscal Year Annual Research Report
高品質窒化ガリウムインゴットの実現を目指した超高温成長技術の開発
Project/Area Number |
24760011
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今出 完 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40457007)
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Keywords | 結晶工学 / 結晶成長 / 半導体物性 / 窒化ガリウム |
Research Abstract |
本研究では、高品質窒化ガリウム(GaN)インゴットの実現を目指したGaN成長技術の開発を目的とする。申請者が独自に開発した酸化ガリウム(Ga2O)原料からの新規GaN気相成長法により、GaN(0002)X線ロッキングカーブ半値幅30秒以下、転位密度10^4cm-2以下の厚さ1cm超の柱状GaN単結晶成長を作製し、高品質GaNインゴットの実現可能性を検証する。 平成24年度は、(1)超高温育成装置の開発・立ち上げ、(2)Naフラックス法で作製した高品質基板上への成長による高品質結晶の育成(X線ロッキングカーブ半値幅27秒、転位密度10^4cm-2台)、(3)熱力学計算による高温育成の優位性の理論的裏づけを行った。上記結果を受け、平成25年度は長時間育成の検討を行い、厚膜化を目指し研究を行った。具体的な実績を以下に示す。(1)GaN柱状結晶育成条件の確立:微小種結晶への育成を行い、柱状結晶成長条件の確立を行った。高温及び高水素分圧条件にて柱状結晶育成が可能であることが明らかとなった。(2)原料連続ローディング確立に向けた新規Ga2O生成反応系の検討:連続ローディング機構の構築を目指し、新規Ga2O生成反応系として液体である金属Ga(融点:約30℃)のH2Oガスによる酸化反応の開発を行った。開発当初は、Ga2O3粉末の副生が問題となったが、熱力学計算を利用し、反応温度およびH2O、H2ガス分圧を最適化することで解決し、従来の生成反応系と同等の品質を有する結晶を得ることに成功した。(3)長時間成長:昨年度より着手した流体解析の結果に基づき設計を行った長時間成長用の装置の立ち上げ・開発を行った。開発した装置にて長時間育成を行い、結晶品質を悪化させることなく最大で400um厚結晶(5時間育成)を得ることに成功した。 以上、2年間の本研究の実績により、申請者が開発した新規気相成長法は、長時間育成により高品質な柱状GaN結晶育成が可能であり、GaNインゴットの作製に極めて有用な手法であると言える。
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Research Products
(12 results)