2012 Fiscal Year Research-status Report
安全かつ効果的な同種骨移植骨を可能にするプラズマ処理
Project/Area Number |
24760029
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
今出 真司 島根大学, 医学部, 助教 (10581077)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
本年度は滅菌法の違いによる骨癒合能の変化を正確に確認するため、牛骨から精密加工機で作製した骨釘を2群に分け、一方に加圧滅菌を施行(A群)し、他方に低温滅菌を施行(E群)した。対象群として生体吸収材として汎用されるポリ乳酸材(PLLA)を同様の形状に加工したPLLA釘を用意し、同様の条件で低温滅菌を施行(P群)した。これら3群を家兎大腿骨顆部へ移植し、術後10日および14日時点での目での固定力を評価した。またマイクロCT(µCT)を用い骨癒合部の微細構造を評価した。その結果、移植直後の固定力は3群間に差を認めなかった(A群0.30±0.09N, E群0.25±0.05N, P群0.33±0.08N)が、術後14日ではA群312±20N, E群400±56N, P群21±8Nといずれも各群間に有意差を認めた(p 以上の結果から、加圧滅菌では低温滅菌に比較し骨癒合能が約25%低下することが判明した。一方で加圧滅菌した骨釘でもPLLA釘に比較し術後14日で10倍以上の固定強度を得ることも判明した。この事実は、骨が持つ骨形成タンパク質(BMP)が滅菌による熱変性で失活しても、骨釘はPLLA釘より固定材として優れていることを示唆していると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の通り、申請書の計画に従って研究を行っている。結果も概ね仮説の通りであり、継続して研究する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度はBMPの失活によって失われた骨癒合能を補填する技術としてプラズマ表面処理が利用可能かどうか検証する。実験系は本年同様とし、加圧滅菌した骨釘にプラズマ表面処理を行う。条件は電力150W,carrier gas;He(流量4L /min),reactive gas;O2 (流量2.3/min)またはN2(流量2.3L/min),照射時間;30分または1時間とすることを予定しているが、最適な条件は不明であるため適宜修正するものとする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度予算の内2218円の残金を生じたが、必要物品を購入した結果の残金であり、大幅に研究費が余ったわけではない。 本残金は次年度研究費130万円に組み込み、研究に必要な物品の購入費に充てる予定である。
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