2014 Fiscal Year Annual Research Report
安全かつ効果的な同種骨移植骨を可能にするプラズマ処理
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24760029
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
今出 真司 島根大学, 医学部, 助教 (10581077)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 大気圧下プラズマ表面処理 / 骨癒合促進 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年までの結果から、骨表面へのプラズマ処理が骨癒合能を向上させる可能性が示唆された。本年度は至適な条件を検索するため、主としてreactive gas種の調整と処理時間の調整を行った。 ガス種選択実験では実験系およびプラズマ生成条件は前年度までの仕様を踏襲し、骨釘の滅菌は加圧滅菌とした。プラズマ処理はcarrier gasにHeを4L/minで用い、reacrtive gasにO2およびN2をそれぞれ流量2.3L/minで加えた。コントロールをractive gasを混入しないHe単独プラズマ処理とした。処理時間は30分を選択した。プラズマ処理した骨釘を家兎に移植し、術後10日目の骨癒合強度を測定した。結果、O2群は279±23N、N2群は232±27N、He群は247±33Nとなり、群間に統計学的有意差は認めなかった。 処理時間実験では昨年度までの実験から長時間の処理が有利と考えていたが、細胞活性には数秒から数分というより短時間の処理が有効である可能性が報告された(Haertel B et al. Biomol Ther, 2014)ことから、処理時間1分郡を追加し30分および60分と比較した。結果、1分群は340±23N、30分群は279±23N、60分群は312±24Nとなり、群間に統計学的有意差は認めなかった。 結果的に、ガス種、処理時間ともに有意な差を検出できなかったが、O2プラズマで1分の処理が癒合強度増強に有利である可能性があると考える。 一方、これまでラジカルの有無に関する検討は不可能であったが、2015年に特願申請され試薬を用い検討した結果、同試薬の検出値に達していないことが判明した。結果にばらつきがあり、かつ有意差を検出できなかった要因の一つと考えている。十分量のラジカルを生成しうる条件に再設定し、骨癒合促進効果に関する実験を継続する必要がある。
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