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2012 Fiscal Year Research-status Report

シード層による酸化スズ系透明導電膜の高機能化

Research Project

Project/Area Number 24760034
Research InstitutionKanagawa Academy of Science and Technology

Principal Investigator

中尾 祥一郎  (財)神奈川科学技術アカデミー, 重点研究室透明機能材料グループ, 研究員 (50450771)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
Keywords薄膜 / 透明導電膜 / PLD / スパッタリング / 酸化スズ
Research Abstract

本研究では酸化スズ系透明導電膜の特性(エッチング特性、導電性)を向上させる目的を達成する為に、固相成長で有効に働くシード層をパルスレーザー堆積(PLD)法を用いて探索した。PLD法は①幅広く系統的に成膜条件を制御でき、②小型の自作ターゲットが使用でき、③コンビナトリアル手法によって迅速に組成や条件の最適化が可能、という特徴から探索的な研究に最適な成膜手法である。以上によって得られた候補材料、成膜条件について、透明導電膜の工業的な成膜法として広く使用されているスパッタ法で実証を行う。スパッタ法は大面積に均一な薄膜の作製が可能であり、透明導電膜の工業的な生産方法として広く使用されている。本研究も最終的にはスパッタ法を用いた試料作製を行う必要があるが、スパッタ法には高密度かつ大型のターゲット(一般的に高額かつ長納期)が必要で探索的な研究には不向きである為である。
今年度はPLD法による材料探索に注力した。ルチル型TiO2はシード層として全く効果がない一方、アナターゼ型TiO2は抵抗率を半分以下に減少させる事を見出した。しかしながら、XRDで判断する限りは、ガラス基板上の薄膜と構造の違いが見られなかった。これは気相成長の際のシード層が擬似エピタキシャル成長を促進し、その結果、移動度が向上する事と大きく異る。また輸送特性の向上は主にはキャリア濃度の向上であり、移動度の向上は30%程度であった。シード層の高品質化のステップを省略する為に単結晶基板を用いた実験も行った。気相成長においてa軸配向エピタキシャル酸化スズ薄膜の成長に用いられていているc面サファイア基板を用いて固相成長を行った。得られた薄膜はガラス基板上と同様の多結晶薄膜であり、固相エピタキシャル成長は観測されなかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究は気相成長でのアナロジーを固相成長に当てはめる事から着想したが、予備的実験の段階では明らかでなかった、気相成長と固相成長の違いを見出した。即ち固相成長においては擬エピタキシャル成長以外の輸送特性向上機構が存在している。その為、本年度はこの機構を明らかにする事に注力する事となった。以上の理由から当初予定よりは進行は遅れているが、固相成長での輸送特性向上の機構を明らかにする事は学問的、実用的に非常に重要である為、やむを得ないと考える。

Strategy for Future Research Activity

PLD法による有望なシード層の探索を平成24年度から継続して行う。進捗状況によってはスパッタ法に移行する。二層成膜はターゲットを都度交換する事により、また界面ミキシングによるエピタキシャル相互作用の増強は低圧スパッタを試みる事により当初予定の通りの研究を行う。その他は当初予定通りPLD法で見出したシード層候補を元に、スパッタ法による実証に重点的に取り組む。スパッタ法で低圧で成膜を行うとPLD法では不可能なイオンアシスト効果が加わった薄膜の作製ができる。本条件のみスパッタ法で探索する必要がある。
スパッタ法では界面のミキシングが強くなる為、PLD法では有効でないシード層が有効になる可能性がある。
また非晶質酸化スズ薄膜に対して希塩酸によるエッチング特性の実測、および大気中アニールによる酸化・結晶化の最適条件を決定する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

今年度は主として消耗品である、基板、高純度ガス、スパッタターゲットへの支出を計画している。基板としてはガラス基板の他に酸化スズがエピタキシャル成長するTiO2およびサファイアの各面方位の単結晶基板を予定している。高純度ガスとしては酸素ガスおよびアルゴンガスが必要である。スパッタターゲットはPLD法によって最適化された物質および組成の材料を購入する予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2013 Other

All Presentation (1 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] 固相成長によるNbO2薄膜の作製2013

    • Author(s)
      中尾祥一郎,廣瀬靖,福村知昭,長谷川哲也
    • Organizer
      第60回応用物理学会春季学術講演会
    • Place of Presentation
      神奈川工科大学
    • Year and Date
      20130327-20130327
  • [Remarks] 神奈川科学技術アカデミー>研究事業のご紹介>「透明機能材料」グループ >研究内容>高移動度透明電動膜

    • URL

      http://www.newkast.or.jp/innovation/labo/hasegawa_project.html#research2

URL: 

Published: 2014-07-24  

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