2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24760035
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大野 誠吾 東北大学, 高等教育開発推進センター, 助教 (70435634)
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Keywords | メタマテリアル / テラヘルツ光変調器 |
Research Abstract |
本研究はメタマテリアルとそれを構成する光励起キャリアを制御することで、テラヘルツ(THz)光の新たな変調技術の開発を目的としてきた。本年度は最終年度であり、目的遂行のためのシミュレーション、実験及びその成果報告を主に行った。 本年度扱った系は、大きく分けて2つある。一つは、当初から予定していた半導体基板上の金属アイランド構造、もう一つは、半導体基板上に作製するレジストと金属を組み合わせたスプリットチューブ配列構造(STA)である。金属アイランド構造とは、シリコン基板上に金属メッシュをマスクとして金をスパッタ法で蒸着させて作ったドット状の構造である。CW光源にて光励起時のTHz透過スペクトルを時間領域分光測定し、THz光の変調特性を調べた。結果としては、顕著な変調効果は得られなかった。そこで、昨年度から開発を進めてきたSTAにおける光励起時の変調効果について、シミュレーションも含め検討を試みた。これまで、STAは、1-2 THz帯にLC共鳴を示すことがわかっている。CW光励起によるSTAに対するTHz応答を数値計算したところ、共鳴周波数付近で、透過強度、および位相が、励起強度により変調可能であることが見積もられた。これをもとに、実際にSTAに対してCWレーザーによる光励起時のTHz時間領域分光実験を行ったところ、わずかだが、共鳴周波数付近で、強度、位相変調の兆候が見られた。このことから、光励起キャリアとSTAを組み合わせることで、THz波の強度、位相の情報を、周波数帯を限った場合に操ることができるといえる。今回の実験では、用いたレーザー光源の出力の限界から、シミュレーションで見たような大きな変調は得られなかったが、励起光の偏光や波長、STAの配置を工夫することで今後実現可能であろう。 これらの成果はCLEO-PR2013、および応用物理学会(2013秋,2014春)にて報告した。
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Research Products
(3 results)