2013 Fiscal Year Annual Research Report
再生光整流による究極的高効率テラヘルツ波発生の開発
Project/Area Number |
24760044
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
永井 正也 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (30343239)
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Keywords | 非線形結晶 / テラヘルツ光 |
Research Abstract |
本研究では新しいイメージング、センシングとして有望なTHz 波において、THz波発生の励起光源としてサブピコ秒のパルス幅の光源を用い、非線形光学定数が小さな非線形媒質を使うことでTHz波発生の生成効率を極限まで高めることである。 当初の計画では高繰り返し光源と外部共振器を用いまた非線形光学定数が小さいが損失も極めて小さなリン化ガリウムを用いて、テラヘルツ光の高効率発生を目指していた。そこで実際に外部共振器を構築し実証実験の準備を行った。しかし実験で使用を計画していたレーザー機器のトラブルにより今年度の実証実験を遂行することができなかった。 これらのトラブルに対処する際に、100kHz の高強度サブピコ秒光源として高効率のテラヘルツ波が可能であることを新たに見出した。100kHz光源は外部共振器の併用は困難である。そこでエミッタとして高い非線形定数を有するMgが添加されたニオブ酸リチウムを用いた。この結晶はMgの濃度が小さい方がテラヘルツ周波数領域の透過率が高いことがわかった。そして励起光のスポットサイズやエミッタのカプラーなどの入射条件を最適化することで非線形結晶内で複数のTHzフォトンが発生し効率よく結晶外に取り出せることに成功した。またサンプリング光を非線形ファイバーと負分散ファイバーによってパルスの時間幅を0.08ピコ秒まで圧縮することで、広帯域テラヘルツ波検出を実現した。結果として0.48ピコ秒のレーザーを用いて12kV/cm の電場振幅と4THz以上の周波数帯域のテラヘルツ波発生を実現した。これらの結果は非線形マクスウェル方程式を基本とした結合方程式を用いた計算と整合している。本成果は現在欧文誌に投稿中である。
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Research Products
(1 results)