2012 Fiscal Year Research-status Report
レーザー発光パターン制御によるゴーストイメージング
Project/Area Number |
24760045
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
仁田 功一 神戸大学, その他の研究科, 准教授 (20379340)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 光イメージング / 画像再構成 / スペックル |
Research Abstract |
様々な散乱光分布照射と点検出を行う光計測と信号処理により測定対象の構造を画像化するゴーストイメージングにおいて、計測系を高速化させるための方式を提案し、その有効性を実証することを目的とする。提案する方式では、散乱媒体を照射する光源をレーザーアレイとし、レーザーアレイの発光位置を制御することで、照射分布の切換えを行うことを特徴とする。レーザーアレイの発光制御は従来手法の空間光変調域のパターン更新と比較し、劇的に高速化が期待されるものである。 平成24年度において、レーザーアレイの発光制御に生成される散乱照射パターンを用いたイメージングが可能であることを数値シミュレーションにより示した。ここでは、固定のランダム位相分布に対して、2次元アレイとして配置されるレーザーを順に発光させ、それぞれ特有の散乱分布が得られることを確認するとともに、従来手法と同等の信号処理により得られる画像を評価することで得られた成果である。また、結果の画質とシステム構成の関係について解析した。解析の結果、可干渉なレーザーとランダム位相分布により生成される粒状の散乱分布の粒径が得られる画像の画質に影響することを示した。この結果から、レーザーアレイと変調器間の距離の設定が重要であることを明らかにしている。 提案方式の原理を検証するための実験系を作製している。この系では、レーザーアレイの代わりに単一のレーザーを機械ステージで走査している。実験の結果、レーザーの発光位置制御によるゴーストイメージングの結果を提示することに成功している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の研究実施計画は概ね達成できたと考えている。第一に実験的な検証が実現できたことが挙げられる。提案する方式では、レーザーの発光位置の切換えにより,固定のランダム位相分布から、独立した照射分布が得られることが重要である。今年度に示した実験結果により,それぞれの照射分布の独立性が実証された。 実験結果と構築しているシミュレータにより得られる画像の整合性がよいことが実験によりわかった。このことは、スカラー回折に基づくシミュレータを用いた評価が本研究の推進に有用であることを示している。 システムの構成と得られる画像の関係を評価することができた。提案方式では,レーザーアレイと散乱媒体間の距離の設定が重要であることが明らかになった。このことは,可干渉な光源による散乱の理論と一致する。以上の関係から再構成画像の画質とシステムの設計に関する指針を提示することができ、またその指針を理論的に裏付ける成果も得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、面発光レーザーアレイを実験系に導入することと、実験システムを計算機ゴーストイメージングの形式に変更することが主な課題となる。 面発光レーザーアレイの導入では、1000素子以上で構成されるアレイデバイスが必要である。平成24年度に検討した結果、各発光素子を1素子単位で駆動制御でき、かつ充分な素子数を有するものは入手できなかった。そこで、12個の発光素子が集積されているアレイ製品を100個購入している。今年度は、これらの素子を駆動するための駆動回路と制御系の試作を行う。最終的に汎用電子計算機より発光点を制御できるものを試作する予定である。 計算機ゴーストイメージング系については、既に所持している位相型空間光変調器を散乱媒体として使用する予定である。実験系を構成する前に、変調器におけるランダム位相分布において変調され、照射面において形成される散乱分布を計算機により合成できるシミュレーターを整備する。シミュレーションはスカラー回折に基づく計算を予定している。 実験で得られる測定結果とシミュレータで計算された光信号の空間分布かを入力データとし、信号処理によりえられる画像を評価することで、提案システムの有用性を提示する。評価結果から、システムの課題と、その解決方法を考察する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(6 results)