2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24760052
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
戸田 雅也 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40509890)
|
Keywords | 磁気共鳴力顕微鏡 / ナノワイヤー / カンチレバー |
Research Abstract |
微粒子磁石が先端に付いたシリコン製ナノワイヤーカンチレバーセンサを作製し,双安定高分子材料を用いた磁気共鳴力顕微鏡(MRFM)を用いた評価を行う.より高感度に力を検出するためには,狭く薄く長い構造のカンチレバーを作製する必要がある.本研究は,厚さ200 nmの単結晶Siをパターニングし,幅160nm,長さ32micronのカンチレバーの作製を行った.カンチレバーの中央には変位計測に用いる干渉計のためのミラー部を設け,先端には直径3.5micronのNdFeB磁石粒子を取り付けた.測定試料として,酸化するとラジカルカチオンとなって安定的にラジカルが分子内で保持される試料(PVBPT,Poly-10-(4-vinylbenzyl)-10H-phenothiazine)を用い,PVBPTをAu膜付Si基板上に100nm程度の薄さになるようスピンコーティングし,汎用のサイクリックボルタメトリー(CV)による液中酸化記録後,乾燥させた薄膜状の試料を,本研究で作製した高感度ナノワイヤープローブを用いたMRFMシステムに導入した. 薄膜中の電子スピンを励起するために,試料近傍に微小コイルによる磁場(AM変調)とカンチレバー上の磁石による静磁場(外部コイルによる磁場変調)を組み合わせて磁気共鳴現象を発生させ,そのときの磁力変化でカンチレバーを駆動し,そのカンチレバーの変位を光ファイバー干渉計により測定し,その振動振幅をロックインアンプにより検出した. 作製したカンチレバーを用いて,サンプルをXYZ走査させたときの振動振幅カンチレバー振幅の変化から,本カンチレバーを用いて高分子薄膜からの確かな磁気共鳴信号を計測でき,本センサを用いて,薄膜状のラジカルや欠陥など試料表面の3次元イメージング評価に応用できることが示せた.
|