2014 Fiscal Year Annual Research Report
陽電子寿命測定法を用いた構造物の疲労検査装置の開発
Project/Area Number |
24760056
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
山脇 正人 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 主任研究員 (30526471)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 陽電子寿命測定 / 非破壊検査 / 金属疲労 / シンチレータ / アンチコインシデンス |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、インフラ老朽化が問題視され、構造物の安全性評価手段が求められている。陽電子寿命測定法を適用すれば、金属疲労を早期に探知出来る可能性があることから、その適用が望まれるが、従来の陽電子寿命測定ではサンプルの切出し加工が必要であるため、実現が困難であった。そこで本研究では、当研究室で開発した、サンプルの切り出し不要の陽電子寿命測定技術を適用し、オンサイトで構造物の測定を実現するための要素技術の開発を行った。 通常、陽電子寿命測定では100万カウント程度積算(数時間測定)し、統計精度を高めて解析を行うが、本装置をオンサイトで利用する上では、数分程度の短時間測定が求められる。その場合、解析において線源成分をどう扱うかが重要となる。そこで平成26年度は陽電子寿命測定の解析条件についての検討とそれを行った。単結晶Siの陽電子寿命測定を2万カウントで10回測定し、線源成分(カプトン寿命380 ps)を固定した場合と固定していない場合で解析を行った。 この結果、線源成分(カプトン寿命380 ps)を固定せず解析した場合のサンプル寿命の標準偏差は28 psであったのに対し、固定することにより6.3 psとなり、積算の少ない場合線源成分(カプトン寿命380 ps)を固定して解析することにより良好な解析結果を得られることがわかった。これにより本研究により開発された線源により高精度な陽電子寿命測定が期待できる。 また、本研究課題を通して得られた結果を基に本装置の仕様を決定し、プロトタイプを作製した。
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