2014 Fiscal Year Annual Research Report
多層型マンガンバスによる中性子源放出率の絶対測定法の開発
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24760057
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
松本 哲郎 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 主任研究員 (70415793)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 中性子放出率 / マンガン / 放射化 / 中性子線源 / NaI(Tl)検出器 / 不確かさ |
Outline of Annual Research Achievements |
工場の現場や放射線管理等で利用される放射性同位元素の中性子線源からの中性子放出率は、品質管理や安全管理のために必要とされている情報である。本研究では、測定に放射性水溶液を用いない多層型マンガンバス検出器の開発を行った。多層型マンガンバス検出器は、マンガン合金と高密度ポリエチレンの板を5層ずつ重ね合わせた構造になっている。本年度は、作製したプロトタイプ検出器を用いて、研究代表者の施設が所有するCf-252中性子線源の中性子放出率測定を行った。中性子放出率の測定は、マンガンバス中心にCf-252線源をセットし、マンガンを放射化する。その後、中性子線源の代わりにマンガンバス中心にNaI(Tl)検出器をセットし、放射化マンガンから放出される847keVガンマ線を測定する。本研究の範囲では、NaI(Tl)検出器の検出効率をモンテカルロ計算によって求めた。また、多層型マンガンバス検出器内部における中性子の振る舞いについてもMCNPモンテカルロ計算によって評価した。その結果、中性子の約60%はマンガンの放射化に寄与し、約28%は検出器からリークしている。計算結果との組み合わせにより、最終的な線源の放出率を得ることができた。 今回の多層型マンガンバスの開発により、従来の硫酸マンガン水溶液を利用したマンガンバスに比べて、放射性水溶液が生成されないので、取り扱いが難しくなく、検出器自体がコンパクトな中性子放出率測定装置が実現的であることを示すことができた。 改善点についても複数あり、今後研究の継続によって、より不確かさの小さな測定が可能になると考えられる。改善点の一つは、マンガンバスを構成するパーツをより対称性があるものにすることであり、もう一つは、NaI(Tl)検出器の検出効率を4πβγ同時計数法によるマンガン放射能測定から決定することである。これらの改善により、全体の不確かさの向上が見込めると考えられる。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Development of absolute measurement method for epi-thermal neutrons using a LGB scintillator2014
Author(s)
T. Matsumoto, A. Masuda, H. Haranoa, H. Tomita, K. Ito, J. Kawarabayashi, T. Iguchi, A. Uritani, K. Watanabe, J. Hori, Y. Sakurai
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Journal Title
KURRI PROGRESS REPORT 2013
Pages: 210
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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