2012 Fiscal Year Research-status Report
駆動電圧最小化を目的とした静電駆動型MEMSのトポロジー最適化
Project/Area Number |
24760065
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山崎 慎太郎 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70581601)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 静電駆動型MEMS / 構造最適化 / トポロジー最適化 |
Research Abstract |
本研究の目的は,静電場・構造連成の設計問題を解くトポロジー最適化の方法論を構築する事により,新しい機能,あるいは高機能を持ち革新的な低電圧駆動を実現する静電駆動型MEMSの構造創成設計を行う事である.この目的を達成するために,静電駆動型MEMSが静電場より静電引力を得る性能と,静電引力により所定の大変形を得る性能を,数値解析手法により同時に評価を行い,その解析結果に基づき,トポロジー最適化により構造の創成設計を行う方法の開発を目指す.研究計画においては,平成24年度の研究課題として,①静電駆動型MEMSの必要駆動電圧を評価可能な解析手法の開発と,②静電駆動型MEMSの形状変更が必要駆動電圧に与える影響の数学的検討を設定した.①については,申請者らが以前に提案した金属導波管を対象としたトポロジー最適化法を静電駆動型MEMS設計問題に応用し,また数値実験によりその妥当性を検証し,達成した.②については,①の成果に基づき,随伴変数法を用いた感度解析手法を静電駆動型MEMS設計問題に適用し,静電駆動型MEMS設計問題における感度導出を行った.得られた感度についての妥当性は数値実験により確認した.課題①,②について十分な成果が得られたため,さらにこれらの成果を発展させ,指定した変形量を得る静電駆動型MEMSの電極構造を設計するトポロジー最適化法を構築した.指定した変形量を得る静電駆動型MEMSのトポロジー最適化法が確立されれば,駆動電圧を低く設定し,指定変形量を大変形となるよう設定する事により,低電圧駆動を実現する静電駆動型MEMSの創成設計へと繋がる.このため,平成24年度達成した,指定した変形量を得る静電駆動型MEMSのトポロジー最適化法の構築は,大きな研究成果と言える.これに関連して,査読付き学術雑誌論文に2本論文を投稿しており,国際会議において1件の発表を予定している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」でも述べた様に,研究計画において設定した2つの課題,すなわち,①静電駆動型MEMSの必要駆動電圧を評価可能な解析手法の開発と,②静電駆動型MEMSの形状変更が必要駆動電圧に与える影響の数学的検討について,成功裏に達成する事が出来た.さらに,それらに加え,指定した変形量を得る静電駆動型MEMSの電極構造を設計するトポロジー最適化法の構築に成功した.このトポロジー最適化法の構築は,低電圧駆動を実現する静電駆動型MEMSの創成設計へと繋がる大きな研究成果である.これらの研究成果を基に,査読付き学術雑誌論文に2本論文を投稿しており,国際会議において1件の発表を予定している.このため,平成24年度の研究目的は十分に達成されたと言える
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の研究成果として,指定した変形量を得る静電駆動型MEMSの電極構造を設計するトポロジー最適化法の構築に成功した.この研究成果を基に,平成25年度は,駆動電圧を低く設定し,指定変形量を大変形となるよう設定する事により,低電圧駆動を実現する静電駆動型MEMSの創成設計法の構築を目指す.また,平成24年度に構築したトポロジー最適化法は2次元問題を対象とした方法論であるため,これを3次元問題に拡張する事を目指す.これにより,コンピュータシミュレーションレベルにおいて,低電圧駆動を実現する静電駆動型MEMSの構造創成設計法の確立を目指す.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度の研究費(直接経費)の支給額2,000,000円に対し,シミュレーション用ワークステーションの価格低減等により,研究費の使用額は1,914,201円となり,85,799円の差額が生じた.当初,平成25年度の研究費(直接経費)の請求額は600,000円の予定であったため,差額分を合わせると平成25年度の研究費は685,799円となる.平成25年度は,この研究費を活用して,トポロジー最適化に関する世界最大規模の国際学会である10th World Congress on Structural and Multidisciplinary Optimization (WCSMO10) にて,平成24年度の研究成果の一部を発表する.また,研究協力者との研究打ち合わせ旅費,及び投稿論文の校正料,論文掲載料等に研究費を使用する予定である.
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Research Products
(1 results)