2013 Fiscal Year Research-status Report
駆動電圧最小化を目的とした静電駆動型MEMSのトポロジー最適化
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24760065
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山崎 慎太郎 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70581601)
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Keywords | 構造最適化 / トポロジー最適化 / 静電駆動型MEMS / 低消費電力 |
Research Abstract |
本研究の目的は,静電場・構造連成の設計問題を解くトポロジー最適化の方法論を構築する事により,新しい機能,あるいは高機能を持ち革新的な低電圧駆動を実現する静電駆動型MEMSの構造創成設計を行う事である.この目的を達成するために,静電駆動型MEMSが静電場より静電引力を得る性能と,静電引力により所定の大変形を得る性能を,数値解析手法により同時に評価を行い,その解析結果に基づき,トポロジー最適化により構造の創成設計を行う方法の開発を目指す.平成24年度の研究実施状況報告書においては,平成25年度においては,①駆動電圧を低く設定し,指定変形量を大変形となるよう設定する事により,低電圧駆動を実現する静電駆動型MEMSの創成設計法の構築,②方法論の3次元問題への拡張,の2つを研究課題として設定した.課題①については,最適化問題の直接的な定式化および実装に至る前段階として,静電引力が作用する電極間の相対的な位置関係と作用する静電引力からなるプロファイルが設計者の意図通りになるように電極構造を最適化する方法論の構築に取り組んだ.これにより,より有用な機能をもった静電駆動型MEMSの構造創成設計が可能になる.また,静電駆動型MEMSの構造創成設計の基本的な方法論についても,既存の方法論では最適解探索の効率について課題があったが,それを解決する新たな方法論の開発に成功した.課題②については,鋭意研究を進めており,一定の結果は得られているものの,計算精度にまだ難点が残っている状況である.上述のように,最終的な研究目的に対して,平成25年度の研究成果により着実に前進している状況である.これに関連して,平成25年度に,査読付き国内学術雑誌論文に1本論文が掲載され,国際会議において1件の発表を行った.また,国際学術雑誌論文に2本論文を投稿している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」でも述べた様に,平成24年度の研究実施状況報告書において設定した2つの課題,すなわち,①駆動電圧を低く設定し,指定変形量を大変形となるよう設定する事により,低電圧駆動を実現する静電駆動型MEMSの創成設計法の構築,②方法論の3次元問題への拡張について,これらの目標の達成には様々に困難な点があり,完全な達成には至ってはいないものの,部分的な課題の達成には成功しており,目標達成に向けて着実に前進している.これらの研究成果に基づき,査読付き国内学術雑誌論文に1本論文が掲載され,国際会議において1件の発表を行った.また,国際学術雑誌論文に2本論文を投稿している.このように,平成25年度においても,一定の研究成果が得られた.
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度,25年度の研究成果を基に,平成26年度は,駆動電圧を低く設定し,指定変形量を大変形となるよう設定する事により,低電圧駆動を実現する静電駆動型MEMSの創成設計法の構築と,その3次元問題への拡張を研究目的として設定し,引き続き研究を推進していく.これにより,コンピュータシミュレーションレベルにおいて,低電圧駆動を実現する静電駆動型MEMSの実用的な構造創成設計法の確立を目指す.
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Research Products
(2 results)