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2012 Fiscal Year Research-status Report

3次元曲面モデリングを利用したメッシュフリー大変形解析とGPU並列化

Research Project

Project/Area Number 24760066
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionRitsumeikan University

Principal Investigator

仲田 晋  立命館大学, 情報理工学部, 准教授 (00351320)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords計算力学 / シミュレーション工学 / コンピュータグラフィックス / 数値解析 / 並列計算
Research Abstract

本研究課題の目的は「3次元大変形解析のための新しいメッシュフリー解析手法を開発すること」である.今年度はこのうち,「(1) メッシュフリー法に基づく大変形解析の定式化」および「(2) GPUによる高速化」を実施した.
ゴムのように柔らかい3次元の固体が時系列的に大きく変形する状況を想定し,その物理的な運動をメッシュフリー法で定式化した.定式化のポイントは大きく2つあり,ひとつはメッシュフリー法の選択,もうひとつは物質の位置の記述方法である.メッシュフリー法の選択には計算効率,精度,並列計算への適応性,可視化への適応性が重要な指針となる.この指針を総合的に満足する手法として,本研究課題では「Radial Point Interpolation Method (Wang and Liu, 2002)」が適していると判断し,採用した.物質の位置の記述方法としては完全ラグランジュ法と更新ラグランジュ法の2つが考えられるが,これも計算効率の観点から完全ラグランジュ法を採用した.この組み合わせによって適切なメッシュフリー大変形解析の定式化が可能となり,いくつかのテストケースで良好なシミュレーション結果が得られた.
本研究課題ではさらに並列計算の導入による高速化も達成している.メッシュフリー大変形解析では計算量のボトルネックとなる箇所が従来の有限要素法とは異なるため,新たな並列計算アルゴリズムを開発する必要があった.メッシュフリー法において特に高速化が求められるのは数値積分の箇所であり,これをGPU上の並列計算に適した形で処理の分割,分配を行うことで,高速化を達成している.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の計画では「陰関数曲面と大変形解析を組み合わせたメッシュフリー解析法の定式化と実装」と「メッシュフリー大変形解析に適した可視化手法の考案と実装」の2つの達成を予定していた.
前者については一部を除き目的を達成できたと考えている.陰関数曲面との連携については具体的な実装には至らなかったが,定式化については完成しており,今後早い段階で達成できるものと考える.当初の予定より進んだ部分としては,並列計算の導入による高速化がある.これは当初は次年度での実施を予定していたが,その一部を前倒しして実現することができた.大変形解析の精度についてもいくつかの数値実験を通して確認し,良好な結果が得られたことから,本研究課題で採用した「Radial Point Interpolation Method」と「完全ラグランジュ法」の組み合わせが有効に機能しているものと考える.並列計算の導入については,一定の高速化は実現できたものの,現時点では限られた範囲での並列化であり,かつ並列化効率も十分ではない.これは当初予定していた次年度に持ち越すこととする.
後者の可視化についても,メッシュ構造を利用しない3次元分布量の高速可視化の技術を開発・実装し,一定の成果が得られている.ただし,陰関数曲面との連携が現時点では不十分であり,実装レベルでの完成度を上げる必要がある.一方,高速化については予定よりも早く実現されており,可視化の対象によってはリアルタイムでの描画も達成できている.

Strategy for Future Research Activity

(A) メッシュフリー大変形解析の実装(陰関数曲面への拡張とGPU並列化)
これまで実現したメッシュフリー大変形解析は単純な3次元形状が対象であったが,これを複雑な陰関数曲面に拡張する.基本的な定式化は完成しているため,主に具体的なアルゴリズムの整理と実装を進めることで実現を目指す.特にメッシュフリー解析に必要な節点の曲面上での配置がポイントとなるが,これは我々の研究グループがこれまで携わってきたコンピュータグラフィックスの技術を応用することで解決する.また,並列アルゴリズムについて見直しを行い,GPU 上での高速計算を実現する.我々はこれまで線形問題に対するメッシュフリー解析法について,アルゴリズムとしての高速化と,GPU 上での並列計算に適した形での並列化を実現し,一定の評価を得た.このアイデアは大変形解析のような非線形問題にそのまま適用することはできないが,大変形問題に固有のデータ転送の問題を解決するアルゴリズムを構築することで,高速化を実現する.
(B) メッシュフリー大変形解析に適した可視化手法の実装とGPU並列化による高速化
メッシュフリー大変形解析の可視化技術をGPUに適した形で並列化し,GPU上での高速レンダリング処理ソフトウェアとして実装する.我々のこれまでの研究では,空間的に分布する連続量をGPUで高速に可視化する技術を提案し,大きな変形を伴わない限範囲では空間分布量を高速に描画できることが確認されている.さらに,曲面と分布量の同時可視化もGPU 上で高速に実現できることも予備実験で一部確認されており,これらの技術を発展させる形で大変形解析のための高速可視化を実現する.この目的を達成するにはクリアすべき課題も多いが,特に曲面の変形や変位量の大きい節点の取り扱いなどの問題は複数のアプローチの中から最も適切な組み合わせを選択することで,実現可能性を高める.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

当該年度は予定していた計算用PCの金額を抑えることができたため,未使用額が生じた.そのため,この未使用額を次年度の機器購入や国際会議の旅費・参加費として使用する.
・メッシュフリー大変形解析の並列アルゴリズムを実装や評価実験のための機器(グラフィックスハードウェア),さらに可視化手法の実装や評価実験のための機器(高性能モニター)を購入する.
・大変形解析や可視化に関する成果を国際会議で発表するための旅費および参加費として執行する(「2013年5月,International Conference on Computational and Experimental Engineering and Sciences, シアトル,米国」「2013年6月,International Conference Computational and Mathematical Methods in Science and Engineering, アルメリア,スペイン」)

  • Research Products

    (3 results)

All Other

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] Fast Meshfree Radial Point Interpolation Method for Large Deformation Analysis

    • Author(s)
      S. Nakata
    • Organizer
      ICCES Special Conference on Meshless & Other Novel Computational Methods
    • Place of Presentation
      Budva, Montenegro
  • [Presentation] Particle Based Fluid Simulation for 3D Scene with Implict Surfaces

    • Author(s)
      Y. Sakamoto, S. Nakata, S. Tanaka, K. Hasegawa
    • Organizer
      International Conference on Simulation Technology
    • Place of Presentation
      兵庫県,神戸大学総合研究拠点
  • [Presentation] Meshfree Large-Deformation Simulation of Solids using Graphics Processing Units

    • Author(s)
      S. Nakata, S. Ikuno
    • Organizer
      International Conference on Parallel, Distributed, Grid and Cloud Computing for Engineering
    • Place of Presentation
      Pecs, Hungary

URL: 

Published: 2014-07-24  

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