2013 Fiscal Year Annual Research Report
マイグレーション構造を考慮した天然繊維糸複合材料の強度特性
Project/Area Number |
24760087
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
中村 理恵 日本大学, 工学部, 助教 (40615598)
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Keywords | 複合材料 / 天然繊維 / マイグレーション |
Research Abstract |
撚糸は強化形態の利点から,天然繊維強化複合材料(グリーンコンポジット)の強化材として利用される.繊維工学分野では,多くの天然繊維を集合させ撚りを加えた撚糸について様々な研究が行われてきた.しかし,天然繊維を樹脂と複合化させた天然繊維撚糸強化複合材料に関してはその機械的性質は十分に明らかにされていない.また,これまでの繊維工学分野では撚糸は理想的なマイグレーション構造をもつと考えて扱われてきたが,実際には作製条件により理想的な構造を示さないことが指摘されている.そこで, 本研究では撚糸の構造を考慮したモデルを提案し,撚りが撚糸強化複合材料におよぼす影響について調査し,その力学特性メカニズムを明らかにすることを目的としている. 平成25年度は,マイクロCTスキャンにより撚糸のマイグレーション構造を確認した.これより,レイヤー位置と撚糸中心からの距離,および撚糸中心からの距離と配向角が関連していることを明らかにした.また,撚糸の配向角と撚糸中の各糸が分担する荷重を明らかにするため,六方繊維配列モデルを用いたシミュレーションを実施した.本モデルは複合材料内の繊維が破断した時に破断点で失われた荷重がマトリクスのせん断変形を通して周囲の生存繊維へ伝達したときの分担荷重係数を計算することができる.これより,撚糸の配向角と分担荷重係数の関係を明らかにした.
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Research Products
(8 results)