2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24760092
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Research Institution | Hakodate National College of Technology |
Principal Investigator |
川上 健作 函館工業高等専門学校, 生産システム工学科, 准教授 (70353216)
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Keywords | 動作解析 / 関節運動 / 生体工学 |
Research Abstract |
本研究では,1 方向正面動画による簡易動作解析方法を確立し,その方法により異常動作の検出を行うことを目的とし,以下の点について検討した. ・1方向正面動画による動作解析方法の検証-1方向正面動画を用いた動作解析のために上前腸骨棘間距離を基準として記録対象の倍率補正する方法について1 方向正面動画撮影と3 次元動作解析システムの測定を同時に行うことにより,本補正方法の精度および1 方向カメラの設置におけるカメラ位置および傾きによる結果への影響を検討した.その結果,1方向正面動画による結果は3次元動作解析システムによる結果と定性的に一致しており,1方向正面動画でも定量的な誤差はあるが,異常歩行の検出は可能だと考えられた. ・1方向正面動画による下肢疾患患者の異常歩行解析-1方向正面動画による歩行解析から前額面上での体幹の図心を算出し,その左右,上下の動揺および体幹の傾きを健常者およびOA,TKA患者にて検討した.その結果,下肢にOAなどの疾患を有する場合,健常者に比べて上体図心の上下動揺が小さく,左右動揺および体幹の傾きは大きくなる傾向があった.片脚OA膝の場合はOA側で振幅が反対の脚よりも小さくなる傾向が歩行異常として認められた.よって定性的ではあるが,疾患患者の歩行異常を検出することができた. ・1方向正面動画による歩行時のアライメント評価の検討-健常者およびOA,TKA患者において撮影した正面歩行動画から各下肢関節の関節中心を算出し,それにより大腿と下腿のアライメントと下肢荷重線の評価を行った.その結果,1方向正面動画を用いた測定方法により,歩行中の前額面下肢アライメントの評価は可能であり,OA患者ではスラスト現象に伴う変化として,荷重応答期における膝内反角度増加と膝関節外顆の外側変位が確認でき,1方向正面動画による膝関節スラストの評価は可能であると考えられた.
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