2014 Fiscal Year Annual Research Report
金属粉末の金型成形時における成形割れ発生予測手法の開発
Project/Area Number |
24760111
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Research Institution | Nara National College of Technology |
Principal Investigator |
谷口 幸典 奈良工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (10413816)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 粉末冶金 / 粉末成形 / 圧密挙動 / 破壊 / せん断強度 / ダイレイタンシー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究でその手法の確立を試みる一面せん断試験法とは,粉体を充填した上下せん断箱の界面としてあらかじめ規定されたせん断面に対し,垂直力とせん断力を直接負荷することで,粉体層のせん断強度を直接計測する強度試験である.申請者が過去に提案した高面圧一面せん断試験装置を改良して降伏曲面の直接計測を試み,さらに粒子個別要素法による数値解析を行うことで,実際と理論の両面から圧粉体の破壊挙動を解明することを目的とする.破壊挙動に及ぼす粉末因子(材質,粒子径,粒子形状等)および潤滑剤の影響について,金属粉末に特化した粒状材料の破壊条件式を検討し,破壊発生の抑制手法を理論的に提案する. 本年度は,これまでに開発した試験機と解析環境を活用し,まとめとしての破壊条件式を提案するために,圧粉体の破壊を模擬した粒状材料の降伏条件式である修正Drucker-Pragerモデルにおける材料定数の同定を試みた.限界状態線の計測結果として,潤滑剤添加量が内部摩擦係数に及ぼす影響を定量的に明らかとした.また,粒子径が小さい場合,内部摩擦係数の値は減少した.さらに,粒度分布の幅が狭い場合,せん断破壊が生じる応力状態がより低強度側に移行することが分かった.これらの事より,粒子間のかみ合い角がせん断強度を規定しており,降伏条件式内のパラメータとなることを明らかとできた.これらについては個別要素法の解析結果でも同様の傾向が現れることを確認した.得られた限界状態曲線をDrucker-Pragerモデルに当てはめた結果,材料定数の値を同定できることを示した.
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