2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24760112
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Research Institution | Kanagawa Industrial Technology Center |
Principal Investigator |
安井 学 神奈川県産業技術センター, その他部局等, 研究員 (80426361)
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Keywords | 電子線描画 / ネガ型レジスト / Ni-W電鋳 / ナノパターン / 残渣 |
Research Abstract |
平成25年度の研究課題は以下の2点であった。1.ネガ型レジスト(SU-8)製ナノパターン間に発生する残渣の抑制,2.Ni-W電鋳表面に発生する凹凸の抑制。 1については,SU-8の密着性を高める処理をウェットエッチングからプラズマ処理に変更したことにより,安定した密着性を得た。次に,SU-8の厚みを薄くすることで,SU-8残渣の発生を抑えた。実験では,周期:480nm,幅:160nmの矩形パターンを300μm角一杯に形成できた。 2については,Ni-W電鋳表面に生じる凹凸の原因である水素の取り込みを軽減することを目的とした。具体的な対策として,1)パルス電流を用いた水素の発生時間の軽減,2)添加剤を用いたNi-Wの水素吸蔵の抑制,3)基板の揺動を用いたNi-Wの水素吸蔵の抑制の3点を用いた。 1)と2)の組合せ,1)~3)の組合せの各実験において,凹凸を抑制できなかった。しかし,1)と2)の組合せでは,サブミクロンサイズの凹形状にもNi-W合金を緻密に充填できた。Ni-W溶液の表面張力が下がったため,水素の混入を抑制できたと考えられる。また,Ni-W合金中のWの含有率が上昇した。 1の研究成果は,ISPlasma2014において“Study of SU-8 electron beam lithography on the W substrate for Ni-W mold”と題して発表した。また,Ni-W金型がアルミ合金の成型に利用できることを学会で発表した。投稿した論文が2件掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度の研究課題は以下の2点であった。1.SU-8製ナノパターン間に発生する残渣の抑制,2.Ni-W電鋳表面に発生する凹凸の抑制。 1.については,SU-8の密着性を高める処理をウェットエッチングからプラズマ処理に変更することにより,W基板に対するSU-8の密着性を向上できた。また,SU-8の厚みを薄くしたことにより,電子線の後方散乱を抑制した。更に,SU-8のピーク温度(62.4℃)に近い温度(63℃)で露光後ベイクを実施して,SU-8の架橋を抑えた。この2点の処理によってSU-8の残渣発生を抑えることができた。そして,周期:480nm,幅:160nmの矩形パターンを300μm角一杯に形成できた。 2.については,Ni-W電鋳の電流効率が低いため,Ni-Wと共に発生する水素がNi-W電鋳表面に凹凸を生じさせる。そのため,水素の取り込みを軽減することを目的とした。具体的な対策として,1)パルス電流を用いることにより水素の発生時間を軽減する,2)界面活性剤を添加することにより,Ni-W表面が吸蔵する水素の量を抑制する,3)基板を揺動させることにより,Ni-W表面が吸蔵する水素の量を抑制することの3点を用いた。 1)と2)の組合せ,1)~3)の組合せの各実験において,凹凸を抑制できなかった。このため,Ni-W電鋳金型の試作が遅れている。しかし,1)と2)の組合せでは,サブミクロンサイズの凹形状にもNi-W合金を緻密に充填できた。Ni-W溶液の表面張力が下がったため,水素の混入を抑制できたと考えられる。また,Ni-W合金中のWの含有率を上昇できた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の研究では,1.Ni-W電鋳表目の凹凸の軽減,2.SU-8の除去,3.Ni-W電鋳金型を用いたガラスインプリントの3点を行う。 1.Ni-W電鋳表面に発生する凹凸の抑制に対して,以下の2つの対応策を考えている。1)金属イオン濃度に比例して陰極電流効率が高くなることに着目して,水素の発生を抑制する。2)揺動速度を上げて,Ni-Wに吸着する水素を除去する。 2.SU-8の除去に対して,以下の2つの対応策を考えている。3)低めのPEB温度により,剥離液で膨潤し易くする。4)平成24年度の研究成果を用いて、添加剤を加えた剥離液によりSU-8の剥離を促進させる。 3.Ni-W電鋳金型を用いたガラスインプリントに対しては,パターンがナノサイズにまで微細になっているため,ガラスの粘度やインプリントの加圧力の検討が不可欠である。そこで,ガラスの粘度が比較的低くなる600~610℃付近において,インプリントの加圧力と転写パターンの形状の関係を比較し,適切なインプリント条件を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度に購入したソフトエッチング装置が予定価格より一割近く安かったこと,基板の購入枚数が予定より少なかったこと,謝金が発生しなかったことから残額が生じた。 本年度は残額を物品費に充当することで,研究に必要な物品を賄う。また,ガラスインプリント実験などで他機関に赴くことが多くなること,学会発表や論文投稿を行うことから,旅費,謝金,その他の項目は予定のままとする。
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[Journal Article] Preparation of Diamond-Like Carbon on Ti Film with Tetramethylsilane Buffer Layer2013
Author(s)
S. Kaneko, T. Horiuchi, T. Ito, S. Takagi, M. Yasui, M. Saitoh, T. Matsunaga, K. Ikenaga, S. Yasuhara, K. Mihirogi,M. Kobayashi, M. Kumagai, E. Shimodaira, and R. Sudo
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Journal Title
Japanese Journal of Applied Physics
Volume: 52
Pages: 11NA02
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Expansion of Lattice Constants of Aluminum Nitride Thin Film Prepared on Sapphire Substrate by ECR Plasma Sputtering Method2014
Author(s)
S. Kaneko, T. Ito, M. Yasui, M. Kurouchi, H. Torii, T. Amazawa, A. Fukushima, T. Tokumasu, S. Lee, S. Park, M. Yoshimoto
Organizer
ISPlasma 2014
Place of Presentation
名城大学
Year and Date
20140302-20140306
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