2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24760112
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Research Institution | Kanagawa Industrial Technology Center |
Principal Investigator |
安井 学 神奈川県産業技術センター, その他部局等, 研究員 (80426361)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 電鋳 / 電子線描画 / ナノパターン / Ni-W / ガラス |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は,これまで,ガラスに対するNi-W 膜の離型性評価,Ni-W 膜を金型に用いたガラス熱インプリント実験により,ガラス熱インプリント用金型材料にNi-W 膜が利用できる可能性を見出した。本研究では,「ナノパターンを有するNi-W 電鋳金型を開発し,ガラス熱インプリント金型に展開するための基盤技術を確立する」ことを目的とした。そして,以下の2点の研究項目を実施した。①電子線描画によるエポキシ系ネガ型レジストを用いたナノパターン形成,②ナノパターンを有するNi-W 電鋳金型の開発。 ①においては,Ni-W電鋳時に剥離させないため,ナノパターン用レジストに密着性に優れたネガ型フォトレジストであるSU-8を用いた。しかし,電子線に対してSU-8は非常に反応し易いため,後方散乱によってパターン間に残渣が発生するという問題が生じた。この課題に対して研究を進めた結果,残渣の抑制方法として,63℃付近で露光後ベイクを行うこと,SU-8の厚みを減らして後方散乱の影響を抑制することの2点が有効であることを見出した。そして,高さ:100nm,480nm周期のSU-8ナノパターンの形成に成功した。 ②においては,パターンのスケールダウンに伴ってNi-W表面に発生するノジュール(微小突起)が問題となった。Ni-Wの析出時に発生する水素がノジュールを引き起こすため,Ni-W電鋳時にNi-W表面から水素を脱離させること,水素の発生自体を減らすことを考えた。搖動装置により,水素脱離の促進を試みたが,ノジュールを抑制できなかった。一方,Ni-W溶液中の金属イオン濃度を上げることにより,水素発生の抑制を試みた結果,ノジュールを抑制できた。そして,平坦な480nm周期のNi-Wナノパターンを形成できた。
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