2013 Fiscal Year Research-status Report
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24760113
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
吉冨 健一郎 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, システム工学群, 准教授 (40546149)
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Keywords | 平坦化研磨 / 冷凍液 / 反り / 薄型基板 / 冷凍ピンチャック / 石英ウエハ |
Research Abstract |
(1)凝固冷凍液冷却系統の改良:試作した実用型冷凍ピンチャックでは,ピン上の凝固冷凍液の引張り及びせん断に対する強度を維持するために,冷却水を凝固冷凍液周りに供給し低温を維持する.しかし,冷却水排出が大気開放型のためにチャック全面への冷却水均一分布が難しいこと,および冷却水の供給と排出をチャックの回転を考慮して平衡させる必要があることを明らかにした.また,冷却水を使い捨てにする問題もあることから,これらに対処するために,冷却水を循環させる機構を採用し,新冷凍ピンチャックの設計に反映させた. (2)冷凍ピンチャックのピン配置の再検討:試作した実用型冷凍ピンチャックはピンピッチを2mmであり,直径200mmの研磨パッドを用いた研磨圧5kPaでの研磨が可能であることを明らかにした.新冷凍ピンチャックでは,研磨圧10kPa以上の研磨を可能にするとともに,真空ピンチャックの機能をもたせ,さらに冷凍液塗布効率(ピン上への塗布量/冷凍液使用量)を上げるため,1mmピッチ,ピン直径0.6mmの設計とした. (3)チャック冷却水循環機構の安定化:試作した実用型冷凍ピンチャックは冷却水のチャック冷却用経路と凝固冷凍液冷却用経路が1系統であるが,それぞれ独立して制御する必要があることを明らかにした.新冷凍ピンチャックでは2系統とし,チャックの冷却効果を一定にすること,ピン周りへの冷却水量を微調整可能にすること,を実現する設計とした. (4)ピン上への冷凍液均一塗布:揺動塗布法によるピン上への塗布量の均一性を向上させるため,冷凍液を霧化する回転霧化式ノズルについて,ノズルからの冷凍液の噴霧量分布特性を明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
試作冷凍ピンチャックの実験結果を踏まえて新冷凍ピンチャックを設計したが,その新冷凍ピンチャックの購入手続きに時間がかかり平成26年9月納入予定となった.そのため,予定していた新チャックによる保持特性の評価および無反りウエハの創成実験が未遂行であり,研究の達成度は遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
(1)新冷凍ピンチャックを用いた基板保持:1.2mmと3.0mmの石英ウエハを使って基板載置時および冷凍液凝固時の基板変形特性を明らかにする.また,真空ピンチャックとしての性能も確認する. (2)冷凍ピンチャックを用いた研磨の加工特性:研磨実験を実施し,冷凍ピンチャックの使用に適した研磨方法および条件を明らかにする.その後,高平坦化研磨手法として確立している研磨シミュレーションを用いた揺動速度制御型研磨により平坦化加工実験を行う. (3) 無反り薄型基板の創成実験:反りと平坦度を含めて10μm以下の薄型基板を創成するために,提案する研磨プロセスを実施して実用化について検証し,本技術確立のための基礎研究としての成果をまとめる.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度に,前年度の研究成果を踏まえた新しい冷凍ピンチャックを設計し製作した後,その保持特性の評価と無反りウエハの創成実験を予定していた.しかし,平成25年9月より購入手続きを進めたが,手続きに時間を要し平成26年1/四半期契約,9月納入予定となった.また,学会で成果発表を行うことができなかった.よって,新冷凍ピンチャック購入と成果発表のために,次年度使用額が生じた. 新冷凍ピンチャック購入に150万円,研究成果発表等に10万円を使用する計画である.
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