2012 Fiscal Year Research-status Report
レーザ計測点群の高精度認識に基づく大規模環境自動メッシュモデリング
Project/Area Number |
24760114
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
伊達 宏昭 北海道大学, 情報科学研究科, 准教授 (20374605)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | レーザ計測点群 / レンダリング / 詳細度制御 / レジストレーション / 反射強度画像 / 物体認識 / 柱状物体 / 主成分分析 |
Research Abstract |
1)レーザ計測点群の効果的表示(レンダリング)手法の開発 計測点群データの画面表示は,計測した環境の視認のために重要な機能であるが,点の直接表示では点間の隙間や遮蔽などにより,環境の理解が困難となる場合が多い.この問題を解決するため,本研究では,主成分分析による点分類結果に基づいて点群の形状に合った描画用プリミティブ(線分,四角形,メッシュ)を点群に適応的に当てはめ,これらを表示に用いる計測データの効果的表示手法を開発した.また,八分木による点階層表現と描画用プリミティブ集合の単純化手法を用いた,詳細度制御による効率的表示手法も開発した. 2)レーザ計測点群の位置合せ(レジストレーション)手法の開発 複数地点から計測した点群データを効率よく統合するための,据置き型レーザ計測システム(TLS)から得られた点群同士の位置合せ手法を開発した.TLS計測から得られるレーザ反射強度画像のマッチングによる点群間の対応抽出と,平面一致制約による位置合せ問題の簡単化により,数百万点からなる屋内環境計測点群同士の自動位置合わせを,標準的な計算機で数秒程度で効率よく行えることを確認した. 3)レーザ計測点群からの物体認識手法の開発 レーザ計測技術を用いた設備管理を目的として,車載型レーザ計測システム(MMS)から得られた市街地道路周辺の計測点群から,電柱,標識,街灯の柱状物体を自動で抽出・分類する手法を開発した.本手法では,まず,主成分分析に基づく点分類結果を用いた点群セグメンテーションと知識ベース分類により,計測点群から柱状物体のみを抽出する.その後,柱状物体の高さ,支柱径,付属するパーツの数と種類の評価に基づいて,各柱状物体を電柱,標識,街灯の3クラスに分類する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H24年度の研究計画に含まれていた (A) 点群処理プラットフォーム開発,ならびに (B) レーザ計測点群からの物体認識のそれぞれついて,(A)では,点群処理基本機能,点群位置合わせ機能,点群の効果的表示機能の基礎手法とシステムを構築し,(B)では,高精度点群セグメンテーション法,ならびに柱状物体認識・分類法を開発した.以上の手法を幾つかの実レーザ計測点群に適用し,その有効性が示されており,研究計画通りにおおむね順調に進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
H24年度の成果をもとに,H25年度研究計画に含まれている市街地環境のメッシュモデリング手法の開発を行う.H24年度に,市街地環境メッシュモデリングのための点群とメッシュモデルのマッチングの基礎手法を構築済みであり,これと開発したセグメンテーション法,物体認識法とをあわせ,様々な実計測データに適用しながら手法の性能評価と改良に努める.実験に使用するデータはH24年度に研究会,関連企業を通して入手済みである.研究成果は,半年ごとの定期的な国内学会(主に精密工学会)と,関連深い国際会議(ISPRS Workshop Laser Scanning 2013, CAD13)において発表する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
年度末開催の学会参加のため清算手続が遅延した研究費を,国内学会旅費,参加費,ならびに研究成果の発表・デモ用計算機購入費に使用する.
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