2013 Fiscal Year Research-status Report
曲面を持つ立体折り紙の形状設計システムの開発および実用化のための研究
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24760115
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
三谷 純 筑波大学, システム情報系, 准教授 (40392138)
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Keywords | 形状モデリング / 可展面 / 折り紙 |
Research Abstract |
「折り紙」という名称が使われるときに、一般的に想定される伝承的な折り紙の概念から離れ、曲線での折りを持ち、また時には切り込みなどを許容した、新しい折り紙形状の数学的側面からの研究、および、形状設計支援のためのシステムの研究開発を行った。 特に、長方形の素材に平行なスリットを入れて形状設計の自由度を高めたアプローチでは、具体的なシステム開発を行い、いくつかの試作を行い評価した。この研究は国際ジャーナルに採択される成果を収めた。また、切り込みを入れることで平坦に折りたたむことを可能としたり、トーラスのように1枚の平面では作ることが不可能と思われていた曲面を作ることも実現した。これらの成果は、折り紙の国際会議 (The 6th International Meeting on Origami in Science, Mathematics and Education :6OSME)に投稿し、そして採択された。 さらに、格子状に配置された折り線パターンに適切な山谷を割り当てることで、意図した起伏形状を折り出す方法に関する研究や、折り線のパターンを実際に折るために必要となる手順書を自動生成する研究など、多岐にわたる研究を進めた。現在、ベビーカーを扱う企業と連携して、折りたたみ可能で、なおかつ曲線・曲面を持った幌の研究開発などを進めている。これまでの研究で、折り紙の形状を計算機上で設計・可視化することが可能となったが、成果を伝達するうえでは、実際に作ったものを展示したり、実際に折る体験をしてもらうことが効率的である。そのため、形状の展示やワークショップなどアウトリーチ活動にも力を入れた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
スリットの入った素材による形状設計の実現は、国際ジャーナルに採択されるなどの成果を収めた。また、曲線折りを含む形状設計では、実際の製品開発への応用が具体的に検討される段階になった。その他、折り紙に関する研究を幅広く進め、折り紙の国際会議でも今後の発表が予定されている。このように、これまでの研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
新しい形の創出には試行錯誤が不可欠である。研究開発を行う設計システムには、幾何学的な制約を満たす形状を生成するアルゴリズムの実装だけにとどまらず、対話的な操作が可能なユーザインタフェースにも重点を置いて研究開発を行う。また、得られた成果を、以下に現実課題の解決に活用できるか、応用分野の開拓においても積極的に研究を進めていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
曲面折りを含む形状設計が実現したのち、各種素材での試作を行う予定であったが、要する工数の関係から、主に紙で行うに留まったため、計画していたよりも物品費の使用が少なく済んだ。 布や薄板状の金属など、紙以外の素材を用いた折りの試作のための素材購入および加工費として使用する予定である。また、アウトリーチ活動の一環としての、展示、ワークショップの開催なども積極的に行う予定である。
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[Presentation] Soft Folding2013
Author(s)
Lifeng Zhu, Takeo Igarashi, Jun Mitani
Organizer
The 21st Pacific Conference on Computer Graphics and Applications
Place of Presentation
Clarke Quay, Singapore
Year and Date
20131007-20131009
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