2012 Fiscal Year Research-status Report
製品ライフサイクルのシナリオに適応したモジュール構造設計手法の開発
Project/Area Number |
24760121
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福重 真一 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10432527)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ライフサイクル工学 / 設計工学 / 環境配慮設計 / CAD / リサイクル / Design for Environment |
Research Abstract |
平成24年度は、まず既存の製品やサービスのライフサイクルの現状を調査し分析を行った。この分析に基づき様々なライフサイクルの特性や目的に応じた評価指標を開発した。具体的には、日本、米国、中国、韓国、欧州における主に機械製品のライフサイクルの現状を分析し、ライフサイクルを設計するために必要な表現形式のパターンを整理した。また、組立性、分解性、リサイクル性、メンテナンス性などの、環境配慮設計に関する既存の製品評価指標について調査を行った。 次に、「ライフサイクル・シナリオ」の表現形式によって製品の生産から使用、メンテナンス、回収、再資源化に至るライフサイクル全体を可視化し評価するためのシステムを考案し、そのプロトタイプを開発した。本システムによって、ライフサイクル・シナリオを、製品のコンセプト、環境戦略、ビジネス戦略、市場の特性などと関連付けられながら合理的に作成することが可能となり、さらにライフサイクル・シミュレーションとの統合によってシナリオの環境性と経済性の両面を定量的に評価することを可能とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は、組立性、分解性、リサイクル性、メンテナンス性などの、環境配慮設計に関する既存の製品評価指標について調査を行ったが、特に、リサイクル性については、IEC (国際電気標準会議)のTC111(環境専門委員会)において策定された国際リサイクル性規格IEC 62635「製品のリサイクル率算定方法」を参考にすることで迅速な指標開発が出来た。この規格は、製品のEnd-of-lifeシナリオに基づいて、リサイクル可能率を計算する点に特徴があり、本研究で開発するシナリオに基づく製品設計のための評価指標の一つとして有効であった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、本研究プロジェクトの主要な課題である、シナリオに基づいたモジュール設計手法の開発を行い、そのための設計支援システム(Life Cycle CAD: LC-CAD)のプロトタイプを開発する。最後に、複数の工業製品を対象とした設計の試行によって開発した手法の検証を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ライフサイクルCADの開発に用いるサーバ一式の購入費は、本研究を遂行しケーススタディを実行するために必要であるが、平成24年度は機器を選定したのみで購入には至らなかった。通常の汎用計算機では、製品の大規模な3次元CADモデルを操作することは困難なため、専用のグラフィックスボードを搭載した大画面・大記憶容量を有する計算機システムを次年度の早い段階で購入する予定である。
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Research Products
(10 results)