2012 Fiscal Year Research-status Report
電磁浮遊液滴内乱流による材料のマイクロスケール構造形成の解明
Project/Area Number |
24760127
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
杉岡 健一 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80438233)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | turbulence |
Research Abstract |
二元系及び三元系溶融合金を電磁浮遊法により浮遊させた液滴に静磁場を印加し、流れを抑制した場合や、溶融液滴を自由落下させるdrop tube法などの様々な無容器急速凝固法により凝固させた場合において、形成する微細組織が異なる(Cao et al., Scripta Materialia, 2003; Gao et al., J. Phys., Conf. Ser.144, 2009; Luo et al., J. Appl. Phys., 2009)ことが知られている。これらは材料が同じにもかかわらず、液滴内部の流動状態が全く異なるために引き起こされると考えられている。そこで、直接数値計算による静磁場印加時の電磁浮遊液滴内の乱流構造の解明および静磁場印加電磁浮遊法によるCuCo合金による相分離実験を行った。 直接数値計算の結果、静磁場をより強く印加するに従って、乱流域では時間平均された速度分布は、変化は小さく、乱流成分のみが静磁場により減衰されることが分かった。また、より強く静磁場が印加された層流域では、速度分布は静磁場強度のおよそ-2乗にしたがい、遅くなることが分かった。また、相分離実験結果から、静磁場を印加することにより、電磁浮遊液滴内に現れる構造は、滴状であり、静磁場をより強く印加すると、現れる構造は粗大化することが分かった。その際の粗大化の程度は、低磁場域では、磁場強度の増加に対して、緩やかに構造は粗大化するが、ある磁場強度以上になると急激に粗大化が進行した。直接数値計算により得られた計算結果を無次元化し、相分離実験の条件に換算したところ、粗大化が急激に進行する静磁場強度は、およそ乱流と層流の遷移域に相当することが分かった。今後、詳細を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
数値計算を行う際に補助をおこなってくれる予定だった大学院生を確保できず、申請者がすべて一人で行うことになった。そのため、計算コードの開発・検証の速度が当初の予定よりも遅くなった。しかし、計算結果の検証作業として行う予定だった相分離実験を行う大学院生が確保できたため、平成25年度に行う予定であった実験を本年度に行うことができた。そのため、本研究課題はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
直接数値シミュレーション結果の妥当性の検証およびシミュレーションコードの改良を行う。また、せん断流場及び疑似乱流場でのPhase fieldシミュレーションコードの開発を行う。マイクロスケールの材料構造とその場での渦構造との相関を明らかにするため、層流条件ではせん断速度を、乱流条件では渦スケールおよび乱流強度を変化させ、流れの状態と材料構造との相関を明らかにし、モデル化を行う。 開発した数値シミュレーションコードを用い、液滴内流れの構造、平均速度分布、乱流強度、レイノルズ応力の分布等の乱流統計量から、電磁浮遊液滴内の乱流構造を明らかにする。加えて、操作条件(浮遊力(つまり流れの駆動力)、静磁場強度(つまり流れの静止力))を変えることにより、それらの乱流構造への影響を明らかにする。この際、浮遊力の減少および静磁場強度の増加による層流と乱流の臨界条件などを明らかにし、重畳磁場電磁浮遊液滴内乱流-層流遷移過程およびそのメカニズムを明らかにすることに取り組む。昨年度は、全体としては順調であったが、数値計算のコード開発が遅れた。そのため、開発されたコードの高速化サービスを行う予定であった研究費が次年度に繰り越しとなった。 本年度は、コード開発の完了および高速化も行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本来の次年度の研究費使用計画に加え、次年度は本年度に行うことができなかったコードの高速化サービスを利用する。高速化サービスは当初計画では本年度は1.5カ月、次年度は1カ月を予定していたが、次年度に2カ月程度の利用を予定している。また、高速化により適した計算機を本年度の研究費から繰り越した研究費と次年度に購入予定であった計算機の費用を合算し、購入する。
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Research Products
(3 results)