2013 Fiscal Year Annual Research Report
流体・固体領域を伝播する空力音の統一的解析技術の確立
Project/Area Number |
24760128
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐々木 大輔 金沢工業大学, 工学部, 講師 (60507903)
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Keywords | 流体工学 / 空力騒音 |
Research Abstract |
本研究の目的は,航空機や高速車両を初めとする移動物体から生じる空力音が流体・固体領域を伝播する際の音響解析手法の構築である.その手法の研究により,飛行中の航空機客室内の騒音解析や航空機外部の騒音解析への応用が可能になり,機内や機外騒音の低減に役立てることが期待される.本手法の確立のためには,固体内の音響伝播解析手法,流体・固体を伝播する空力音響解析手法,三次元化への拡張と検証といった要素研究が必要となる.本研究では,流体・固体を伝播する空力音響解析手法の構築を目的として,複雑な物体に対する固体内の音響伝播解析手法の構築,流体内の空力音響解析手法の精度向上を行った.前者は,物体境界面の形状再現性向上のために境界埋め込み法の開発と構築を行い,固体内の音響伝播解析においても流体と同様の境界埋め込み法が有効であることを示した.後者は,ジェットエンジンから発生するファンノイズを模擬した音響解析・空力音響解析を実施した.実験データと比較し,精度よく計算ができることを示した.その一方,ジェットエンジンで問題となる高周波域まで取り扱うと莫大な計算量・計算時間が必要となることが明らかとなった.そのため,さらに計算時間・メモリが必要となる流体・固体を伝播する空力音響解析に向けて音響解析の並列化を実施し,その検証を行った.その結果,並列解析においても同様の精度で計算できることを示し,今後ジェットエンジン近傍のみならず全機形状での空力音響大規模解析が可能となった.その一方,流体・固体を伝播する空力音響解析手法の統一的解法を確立するには至っておらず,更なる手法の研究が必要である.
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