2012 Fiscal Year Research-status Report
界面近傍における細菌集団のマルチスケール三次元解析
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24760136
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
中井 唱 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80452548)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 細菌 / べん毛 / 3次元観察 / 顕微鏡 / 追跡 / 数値計算 / 集団運動 / 画像処理 |
Research Abstract |
1.1体の細菌の遊泳運動に伴うべん毛の変形および周囲の流れ場に関する数値解析を行った。現時点で目立った成果は得られていないが、今後2体の細菌の流体相互作用の計算を行う見通しが立った。 2.2方向の同時顕微鏡観察法により得られた細菌運動の映像から、菌体の3次元位置および姿勢を自動計測するプログラムをMATLABを用いて開発した。2方向観察法では対物レンズを固定しているため、俵型の菌体の輪郭は映像中ではぼやけている。そこで、画像処理により輪郭を抽出し、楕円曲線で近似することにより、位置と姿勢を求めた。位置については0.5μmの精度で推定可能となり、回折限界近くの大きさの対象物が3次元計測可能なことを示した。姿勢角については数十度の誤差が生じた。 3.3次元的に動き回る微生物を拡大して長時間観察するための、対象物自動追跡顕微鏡を開発した。現有の2方向観察顕微鏡の試料台を電動ステージにし、対象物の動きに合わせてステージをコントロールした。これにより、2方向観察法において対象物が動くときでもピントがずれずに観察可能である。現段階では1方向の映像のみの処理によるステージの2次元制御に成功している。これを用いて1秒以内に視野から外れる10μm程度の対象物を追跡し続けることが可能である。しかし、視野内に複数の対象物が現れたときに特定の対象物だけを追跡することができない。 4.細菌の集団運動の定量化を行った。細菌は単体では直進運動するのにたいして、密集状態では集団行動(swarming)して10μmスケールの渦を形成する。顕微鏡観察により、swarmingは細菌どうしの平均距離が5μm以下になると起こることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記「研究実績の概要」の項目1については、まだ1体の細菌の数値解析しか出来ておらず、予想通りの進展でないが、項目4の細菌の集団運動について定量化が行えるなど、期待以上の成果が出ている。なお、項目2および3については、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
上記「研究実績の概要」の項目1の成果を2体の細菌べん毛に発展させ、複数べん毛が接近して回転するときのべん毛間の相互作用を数値解析する。これにより、細菌の集団運動や複数のべん毛をもつ細菌の挙動を明らかにする。 項目2および3については、これらを融合させることで、細菌のような大きさ数μmの対象物の3次元追跡が可能な顕微鏡システムの開発をめざす。 項目4については、細菌の集団運動において特定の最近をGFPなどで発光させ、個々の細菌の動きと集団としての流れとの関係を調査する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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