2013 Fiscal Year Annual Research Report
界面近傍における細菌集団のマルチスケール三次元解析
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24760136
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| Research Institution | Tottori University |
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Principal Investigator |
中井 唱 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80452548)
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| Keywords | 細菌 / 集団運動 / べん毛 / 3次元計測 / 顕微鏡 / 流体解析 / 画像処理 |
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| Research Abstract |
1. 2本の細菌べん毛が近接して回転する時の流体力の数値解析を、剛体モデルを用いて行った。べん毛が同方向に回転する時、べん毛付け根（菌体近く）で引力が生じることが分かった。ただしべん毛先端では離れる方向に作用するため、周毛性細菌のべん毛のバンドル化や複数の細菌のクラスター化を説明できるまでには至っていない。
2. 2方向からの顕微鏡観察により、細菌の遊泳軌跡が界面により影響を受ける様子を捉えることができた。2方向の顕微鏡映像から、菌体の3次元位置および姿勢を自動計測するプログラムを開発した。本観察法では対物レンズを固定している為、俵型の菌体の輪郭は映像中ではぼやけている。そこで画像処理により輪郭を抽出し、楕円曲線で近似した。菌体の位置は0.5μmの精度で推定でき、回折限界近くの大きさの対象物が3次元計測可能なことを示した。姿勢角については数十度の誤差が生じた。
3. 3次元的に動き回る微生物を拡大して長時間観察するための、対象物自動追跡顕微鏡を開発した。現有の2方向観察顕微鏡の試料台を電動ステージにし、対象物の動きに合わせてステージをコントロールした。これにより、2方向観察法において対象物が動くときでもピントがずれずに観察可能である。現段階では1秒以内に視野から外れる10μm程度の対象物を追跡し続けることが可能である。上記２のプログラムを適用すれば、遊泳する細菌の追跡も可能となる。
4. 細菌の集団運動の定量化を行った。細菌は単体では直進運動するのに対して、半流動培地などの密集して遊泳する状態では集団行動（swarming）して10μm程度の渦を形成する。顕微鏡観察により、swarmingは細菌どうしの平均距離が5μm以下になると起こることが分かった。また個々の速度ベクトルの相関を計測し、同様な数密度でもswarming状態とランダムな遊泳状態では相関に差が出ることが分かった。
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