2012 Fiscal Year Research-status Report
磁気力による液体中の物質輸送システム最適化に関する研究
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24760139
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
金田 昌之 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50346855)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 磁気熱対流 / 移動現象 |
Research Abstract |
三次元複雑流動場における磁気熱対流解析コードの開発 これまで単純系にのみ適用されてきた,スカラー輸送場における磁気力の効果を明らかにするために,三次元複雑流動場に拡張するための数値解析コードを開発した.具体的には多孔体内で熱物質移動が生じている場において,流体の磁化率が温度に依存した場合の外部磁場印加効果を並列計算機により解析することができた.これには格子ボルツマン法に外力場としての磁化力を組み込むことと,外部磁場を計算することが必要であった.今回開発した解析コードは,まず単純系における既往の手法と比較することで,妥当性を確認した.次に 多孔体性状とも関連したスカラー(熱)流動場を詳細に解析することで,多孔体透過率やその構造と磁場分布が熱輸送量に及ぼす影響を検討することができた.具体的には一様発熱する多孔体においては熱輸送量を10~20パーセント促進することができることがわかった. 可視化実験の確立 粒子の輸送可視化実験を実現するための予備実験として,単相内での流動を可視化するための実験装置を構築した.外部磁場を印加し,さらに外部から熱を印加する必要があるためにネサ膜を接着した透明円管を採用し屈折率補正をするなどの工夫を凝らした.その結果,低レイノルズ数管内流れにおいて自然対流が支配的となる場においても磁場印加効果による流動制御が可能であることが確認された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
数値解析コードの開発においては,妥当性評価の際に解析手法由来の誤差に関する評価が遅れた.その結果,当初予定していた混相流の数値解析の実現までには至らなかった. しかしながら,単相流に関しての研究を先行させることができたため,混相流への発展がスムーズに行えるものと考える. また,実験に関しても粒子を使用した実験の前に可視化手法を確立し,なおかつ熱流動場への影響を見出せたことから,副産物的な成果が上がったと解釈している. 以上の理由から,概ね順調な進展と考える.
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Strategy for Future Research Activity |
単相流への影響はまだ完全には明らかになっておらず,特に複雑流動場においては実験との比較検討も必要であることから,引き続き検討を進めていく. 混相流への展開は解析コードを発展させていくことが重要であるため,2次元系も視野に入れて進めていく. 粒子を用いた可視化実験においては,流体の中に粒子を分散させるだけではあるが,上述の理由から単相流の実験を先に進め,また当該の先行研究の調査から進めていく.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験装置に関連して,流路構造を考え直す必要がある.高額な装置は発生しないが,可視化のための蛍光粒子など高額消耗品が必要となる.そのため,概ね3分の一を実験に充当し,残りを数値解析ならびに旅費に充てるつもりである.
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Research Products
(6 results)