2013 Fiscal Year Annual Research Report
磁気力による液体中の物質輸送システム最適化に関する研究
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24760139
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
金田 昌之 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50346855)
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Keywords | 混相流解析 / 磁気熱対流 |
Research Abstract |
複雑流動場中の混相流数値解析手法について,密度比の大きい混相場でも体積誤差を抑えて安定に解析できるツールを開発した.本手法は複雑流動場でも安定して解析できる格子ボルツマン法を基にしており,従来の手法では計算の経過とともに相の体積が変動する問題を,CLSVOF法により制御し,さらにGhost-Fluid法を素地とした手法を組み入れることで,密度比の大きな流体での界面トラッキング精度を向上させることができた.本手法を他文献の現象と比較し,定性的ならびに定量的にもよい一致を確認した. 複雑流動場における外部磁場印加効果についての解析ツールを開発した.上述の格子ボルツマン法に外力場として温度依存性を有する磁気力を導入した.その際,解析手法の精度検証を行うとともに,流動場,とりわけ多孔体内流動に着目し,様々な熱的条件に対応できるモデルに仕上げた.解析の結果,多孔体が発熱するタイプの熱交換器における磁場の印加は流体を加速もしくは減速させることができ,磁極付近といった局所的のみならず系全体の熱伝達を促進できることが明らかとなった.多孔体が熱伝導体の場合でも検討し,同様な効果が得られることが確認できたが,磁場印加効果が弱くなることもわかった.本手法はスカラー場の移動現象として考えれば,磁場の影響をうける物質の濃度分布を表しており,今後のドラッグデリバリーに応用できるツールといえる. 磁場下における流動可視化については,可視領域が極めて制限されたため,局所での検討を実施し,ミリメートルオーダーの流れ場では永久磁石程度の強度でも十分な効果が認められた.さらに定量的に検討するため,熱伝達について検討し,有意な差があることを確認した.
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Research Products
(8 results)