2012 Fiscal Year Research-status Report
凝縮・液膜・飛沫を考慮した液滴衝撃エロージョンのモデリングと低圧タービンへの応用
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24760142
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
鈴木 正也 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 航空プログラムグループ, 研究員 (40548161)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | エロージョン / 気液二相流 |
Research Abstract |
申請者らの開発したサンド・エロージョン予測手法をベースに,液滴衝撃エロージョン特有の現象をモデル化・導入した.液滴衝撃エロージョンは連続相・分散相の時間スケールに対して,壁面形状変化の時間スケールが著しく大きいことから,弱連成問題として取り扱うことができ,液滴の衝突位置・衝突速度を得るために,オイラー・ラグランジュ法を使った. 一方,液滴衝撃エロージョンの場合,液滴は単純に上流から流入するだけではなく,温度変化に伴う凝縮を考慮する必要がある.凝縮をオイラー的に取り扱う場合の計算例は多数あるが,ラグランジュ法では例がなく,液滴の発生箇所・液滴直径を計算できるよう拡張した. また,液膜の存在や衝突による飛沫の効果があるため,損傷量を計算する相関式がサンド・エロージョンよりも複雑になる.従って,損傷量を計算する相関式は,液滴の衝突速度・衝突角度・材料特性に加え,液膜の有無・衝突による飛沫を考慮して構築した. 本研究の途中経過は計算工学会およびWCCMにおいて報告した.現状では本研究のターゲットである低圧タービンへの応用には手が届いていないが,研究室レベルの小規模な実験データとの比較により,構築したモデルが実験データを妥当に再現できることを示した.平成25年度は,平成24年度に構築したモデルの修正と低圧タービンへの応用に注力する.やや当初の予定よりも遅れが生じているため,平成25年度に新たに導入予定の計算機を用いて,当初予定した計画を達成するつもりである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年度から申請者は東京理科大学から宇宙航空研究開発機構へ異動した.この状況は予定外であったため,異動後しばらくは研究環境が十分整っていなかったため,当初の予定より遅れが生じている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の遅れを取り戻すため,当初よりも物品費の割合を増やし,計算機のリソースを拡充することで対応する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前項で述べたとおり,計算リソースを増やすため,当初予定していた旅費を減らし,物品費の割合を増やして研究を推進する.旅費を減らした分,研究成果の発表は近隣で開催される学会に変更する予定である.
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Research Products
(2 results)