2014 Fiscal Year Annual Research Report
乱流混合が微小慣性液滴の蒸発過程に与える影響の解明
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24760152
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
大西 領 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球情報基盤センター, 主任研究員 (30414361)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 雲乱流 / 直接数値計算 / 微小慣性粒子 / 粒子径分布 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である平成26年度には、これまでに開発してきた定常等方性乱流場を直接数値計算により計算し、その中を運動する微小慣性粒子の運動および成長をラグラジアン法によって追跡する数値計算法(Lagrangian Cloud Simulator, LCS)を用いて、前年度までに引き続き、様々なパラメータ空間におけるデータを取得するとともに、計算コードの並列計算向け最適化も行った。自動並列化できないループをOpenMP指示行を追加することによって共有メモリ並列化することにより、主要なすべてのループが自動並列化/OpenMPによる共有メモリ並列およびMPIによる分散メモリ並列に対応した。つまり、共有メモリ型と分散メモリ型のハイブリッド並列計算を効率的に実行できるようになった。この最適化コードを用いれば、レイノルズ数を大きくできるので、レイノルズ数というパラメータ軸(つまりレイノルズ数依存性)も検討できる。一方、粒子周り流れを介しての粒子間相互作用(aerodynamic interaction)までを考慮して、現実に即した形で、蒸発による粒子形分布の変化を得られるようにもアップデートした。この最先端コードを用いて、粒子ストークス数、過飽和度、さらにはレイノルズ数を変化させた時の粒子形分布の時間変化に関する参照データを得た。先行研究では、粒子をラグランジアン的に追跡することをせずに、簡易的に2流体系として扱うことが多かった。本研究によって得られた参照データによって、2流体系として簡略化することの影響を定量的に示すことができた。得られた成果を論文誌上や学会で発表しただけでなく、本計算で得られたデータのオンライン公開も行った。公開データに関してすでに複数の問い合わせをいただいている。
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Research Products
(7 results)