2013 Fiscal Year Annual Research Report
イオン液体に金属ナノ粒子を高濃度分散させたナノ流体の熱伝導特性
Project/Area Number |
24760155
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
冨田 大輔 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (30431472)
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Keywords | イオン液体 / ナノ流体 / 熱伝導率 / 粘性率 |
Research Abstract |
本研究はイオン液体に金属ナノ粒子を分散させたイオンナノ流体の流動特性および熱伝導特性を解明し、広い温度領域使用できる作動流体の開発に向けた基礎的な検討を行うことを目的としている。本年度はAl2O3 ナノ粒子およびPdナノ粒子を分散させたイオンナノ流体の流動特性および熱伝導特性について検討した。 まず、分散媒となる標準イオン液体を含むイミダゾリウムカチオンのアルキル鎖が異なる3種類のイオン液体の熱伝導率を測定した。1-alkyl-3-methylimidazolium hexafluorophosphate と同様に、アルキル鎖の鎖長が熱伝導率に与える影響は小さかった。また、Frobaらにより提案された推算式と比較したところ、1-octyl-3-methylimidazolium bis[(trifluoromethyl)sulfonyl]amide ([OMIM][NTf2])は非常に良く一致した。一方、アルキル鎖の鎖長が短くなるにつれて、推算値との偏差が大きくなった。 標準イオン液体である [HMIM][NTf2]を分散媒としてナノ流体を作製した。Al2O3 ナノ粒子は超音波により分散させた。Pdナノ粒子は[HMIM][NTf2]に酢酸パラジウムおよびエタノールを加え、室温で24 h撹拌し、70℃で24 h真空乾燥させ調製した。粘性率は細管法により、熱伝導率は非定常短細線法により測定した。Al2O3ナノ粒子と比較してPdナノ粒子を分散させたイオンナノ流体で高い熱伝導特性が確認された。また、ナノ流体の粘性率は分散させたナノ粒子の体積分率の増加に伴い上昇するが、Batchelorの式には従わなかった。
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